韓国語を「うまく話す」ためのコツ

スピーキング力向上への道!韓国語を「うまく話す」ためのコツ

「韓国語をうまく話す」「スピーキングが上手だ」ということが実際にはどういうことなのか、その実現のために何が必要なのかについて、現場での教授経験豊富な韓国語の先生の意見を参考にしながら考えてみたいと思います。

「流ちょうに話す」とは?

「流ちょう」とは、「よどみなくすらすら話すこと」ですが、バイリンガルの人たちがメディアで活躍し、「ネイティブ」という言葉が使われるようになる前は、外国語を習得した人に対する最大の褒め言葉だったように思います。

学習者の中には「韓国人に化ける」「最後まで日本人とバレないで話を続ける」ということを目標にしている人も多いようです。

それが可能なのは、言葉以前に、日韓で容姿が比較的似ていることが前提になっています。

例えばフランス人と日本人のように、どんなに言葉が完璧でも見た目で違う国の人と分かってしまうのなら、そもそもなりきることができないですし、多少のアクセントが残るのは諦めて、意思疎通を自在に行うことを最優先しようと割り切りやすいです。

割り切って話す

韓国語の場合でも、どうせ外国人だからバレて当たり前。韓国人になりきる必要はないと割り切れれば、いくらか気は楽になるでしょう。

完璧な発音や抑揚よりも大切なこと

ミリネ韓国語教室の代表、김현근(金玄謹)先生は、「ネイティブのように話す」ことについて次のように提案します。

金玄謹プロフィール画像 金玄謹先生

例えば、相手の態度に関して、굿이나 보고 떡이나 먹겠다는 거지?(おはらいは眺めて、餅だけは食べようっていうんだろう?=手伝わずに傍観していたくせに、いいところだけを持っていくんだろう)と言うように、韓国人が状況に合わせてよく使う表現が突然出てきたら何のことが分からない。

でもこうした表現がどれだけ自然に使えるかというのが『ネイティブのように話す』ことだと思います。

さらにもう一つは発音や抑揚が多少ぎこちなくても、自分が伝えたいことを、切れ目なく滑らかに伝えられれば十分流ちょうだと言えます。

こうしたことが、まず日本の学習者が目標にすべき『ネイティブっぽさ』ではないでしょうか。

そしてその目標の中で、発音や抑揚がぎこちないとうまく伝わらない部分は練習して補完するというふうに考える方がいいと思います。
もちろん発音や抑揚を完璧にできればいいのでしょうが。

ネイティブと話せる話題と知識を身に付ける

さらにもう一つ、「何を話すのか」という問題にも目を転じてみます。

ネイティブのようにペラペラと話せるけど、ニュースの聞き取りをやらせたらまったくできなかったといったエピソードを耳にすることがあります。

旅行会話は、かなりの部分定型化した文のやりとりからなっています。会話の本を使って、そこで示されている表現や文型を数百例文とにかく丸覚えしてしまえばいいです。

こうすることで、想定内の会話は十分こなせますし、あとは身振り手振りも交えて旅先の基本的なコミュニケーションはできます。

また、好きな芸能人についての話や流行のグルメやショッピングなどで必要なやりとりであれば、こうした「丸覚え」でかなりのところまで行けるかもしれません。

何を話すのか

しかし、もっと掘り下げた話、例えば時事的な話や文化の話、ビジネスの話、さらには韓国の人と心を通わす会話を交わすためには、きちんとした韓国語の語彙と文法、口頭での運用能力が必要になってきます。

聞き手にとっても、多少発音がつたなくても、適切なマナーで話ができるのか、意味のある話ができるのか、論理的な話ができるのか、さらには知的な話ができるのかで話し手のレベル、さらには人格までを判断することもあるでしょう。

大切なのは目標を明確にすること

一口に「スピーキングがうまくなりたい」と言っても、あまりにも幅が広すぎるのも事実です。

何よりも大事なのは、目標をどこに置くのか、誰と何をどう話すことを目指すかが大事。

それぞれが目指す目標がきちんと存在している限り、どの目標も否定することはできません。

会話力はバランスよくアップ

ただ一つ言えることは、韓国語のスピーキング力はバランス良く育てるのがいいということです。何かが著しく欠けていると、その後の大きな発展は望めないということだけは間違いないでしょう。

スピーキング力アップへの道!韓国語で「話す力」を支える6つの要素」の記事では、そうしたバランスをチェックできる項目を設けましたので、そちらの記事もぜひ参考にしてください。

取材協力

金玄謹

金玄謹

ミリネ韓国語教室代表

【 김현근(キム・ヒョングン)】

1974年韓国生まれ。大学でコンピュータを学び、卒業後プログラマーとして働く。2000年に来日。アニメーターとして7年間働き、その後インターネットニュースサイトで編集長兼記者を務め、2010年にミリネ韓国語教室を開く。著書に『韓国語リーディング タングニの日本生活記』(白水社)、『ネイティブ表現が身につく!クイズで学ぶ韓国語』(あさ出版)など。

この記事が掲載されている書籍

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著者:hana編集部
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