こんにちは。韓国語講師の清水碧(しみずみどり)です。
外国語学習の中で最も重要かつ難しいものの1つが数詞です。数詞は初級段階で学習しますが、上級レベルになってもこんがらがってしまうことが多くあります。
今日は数詞のうち特に固有数詞に焦点を当てて復習をしつつ、現実の場面でどのように用いられているかを一緒に見ていきましょう。
漢数詞と固有数詞の使い分け
韓国語には、漢数詞と固有数詞の2種類の数詞がありますね。漢数詞と固有数詞を学習した際に、漢数詞が用いられる助数詞(単位)と固有数詞が用いられる助数詞を習ったと思います。
例えば以下のような感じです。
漢数詞が用いられる助数詞
원(ウォン) | 칠천 원(7千ウォン) |
월(月) | 삼월(3月) |
분(分) | 이십 분(20分) |
학년(年生) | 오 학년(5年生) |
층(階) | 십칠 층(17階) |
固有数詞が用いられる助数詞
개(個) | 한 개(1個) |
시(時) | 다섯 시(5時) |
명(人) | 세 명(3人) |
장(枚) | 네 장(4枚) |
살(歳) | 열 살(10歳) |
しかし、実際に韓国語を用いる場面ではテキストにはあまり載っていない助数詞も多く登場し、漢数詞を用いるか固有数詞を用いるか迷うことも多いです。
例えば以下の助数詞の前には漢数詞と固有数詞のどちらが用いられるでしょうか。
正解は以下のようにどちらも固有数詞が用いられます。
実際にこれらが用いられる場面では、数字部分がハングルではなくアラビア数字で書かれる場合が多く、3배、2골と書かれたのを見て数字部分を固有数詞で読まなければならないため、なかなかハードルが高いです。
배(倍)はまた、2.5배(2.5倍)のように小数が付く場合は固有数詞ではなく漢数詞が用いられ、[이점([쩜]と濃音化する)오배]と読むという点にも注意が必要です。
3桁以上の数字でも用いられる固有数詞
固有数詞は漢数詞と違って、1(하나)から99(아흔아홉)までしかありませんね。そのため、固有数詞が用いられる助数詞でも3桁以上の数字の場合には漢数詞が用いられると習います。
しかし、実際に韓国のニュースなどを聞いていると3桁の数字の百の位には漢数詞が、十の位と一の位には固有数詞が用いられている場合が多くあります。例えば以下のような感じです。
ちなみに3桁の数字の百の位と十の位には漢数詞が、一の位のみ固有数詞が用いられ、上の例を삼백칠십다섯 명と読むこともあります。
電話番号で用いられる固有数詞
電話番号は漢数詞を用いると習いますが、実際には固有数詞もよく用いられます。ラジオなどで電話番号を読み上げるのを聞いていると、特に1を일ではなく하나、2を이ではなく둘と言い表している場合が多くあります。
例えば以下のような感じです。
하나や둘を用いるのは、電話やラジオで声だけで番号を伝える際に일と이が間違って聞き取られやすいためであるというネイティブの声を聞きました。
ただし、韓国の携帯電話番号の最初の「010」は決まった番号で間違って聞き取られる可能性が低いため[공하나공]ではなく[공일공]というふうに漢数詞の일を用いるのが普通です。
いかがでしたでしょうか。数詞を習った際には漢数詞を用いる場合は漢数詞のみ、固有数詞を用いる場合は固有数詞のみが用いられるように思いますが、実際にはこのように、2種類の数詞はミックスして用いられることもあるのです。
この記事の最初で漢数詞が用いられる場合と固有数詞が用いられる場合を復習したように、2種類の数詞の基本的な使い分けを把握した上で、現実の場面では柔軟に対応できるようになることが大切です。