はじめまして。韓国語講師の清水碧(しみずみどり)です。韓国語を教える中で、大学院などで学ぶような専門的な内容に興味を持っている学習者の方が多いと感じています。ここでは、専門的な内容の中で普段の韓国語学習に直結するものを選んで紹介していきたいと思います。
띄어쓰기って何?
韓国語では、単語を前の単語にくっつけて書くときと、離して書くときがあります。具体的に例文を見てみましょう。
上の例文では、単語をくっつけて書いてあるところと離して書いてあるところがありますね。このうち、前の単語と離して書くことを“띄어쓰기”と言います。
日本語では「分かち書き」と言いますが、띄어쓰기という言い方の方が耳慣れていると思うので、こちらの表現を用います。
どのような場合にくっつけて書き、どのような場合に離して書くかは規則で決まっています。
띄어쓰기がなぜ大切か
普段韓国語を使う中で
韓国ドラマを見ていると、登場人物が(書かれた)文章を読んで“띄어쓰기가 잘 되어 있다(띄어쓰기がきちんとできている)”とよく言っていたりします。
例えばNetflixのドラマ「ロマンスは別冊付録」の第2話では、文章を褒める場面で“비문이 없네요. 띄어쓰기도 정확하고 오탈자도 없고.(間違いがないですね。分かち書きも正確で誤字脱字もない)”というせりふが登場します。
つまり、띄어쓰기ができていると、文章の中身とはまた別に、文章をきちんと書ける人だと思ってもらえるということです。
日本語の場合、漢字を適切に使いこなせているとその文章を書いた人の国語力が高いという印象を持ってもらえますが、それに近いかもしれません。
TOPIKの作文試験において
TOPIKの作文試験では띄어쓰기がきちんとできているかどうかが点数に直結します。
高得点を目指すのが難しいことで有名なTOPIKの作文試験において、作文の内容を充実させること、構成をきちんとすること、文章を速く書けるようにすることなどどれも大切ですが、そのスキルを習得するのは難しいのも事実です。
それに対して띄어쓰기はその知識を一度身に付けてしまえば、あとはクリエーティブな能力は必要なくある意味機械的に行えるようになります。
作文試験の点数に伸び悩んでいる方、それによって級の壁を越えられず悩んでいる方はまず띄어쓰기のミスによる減点を減らすのが作文の点数アップへの近道です。
どのような場合に띄어쓰기をするのか
同じつづりであっても띄어쓰기の有無が異なる場合があります。下の例を見てみましょう。
上の1と2、3と4にはそれぞれ同じつづりの“지”と“같이”が含まれていますが、띄어쓰기の有無が異なります。
띄어쓰기の有無は、つづりの他にも、それが語尾なのかどうか、どの品詞なのか、といった複数の要素によって決まるためです。
それぞれの“지”と“같이”の性質、そして띄어쓰기をしたりしなかったりする理由、この続きは講座でご説明します☆
띄어쓰기の現実(リアル)
ここまで見てきた中で、例えばSNSなどでネイティブが書いた韓国語と上に出てきた例文とで띄어쓰기の有無が異なっていたり、勉強するときに띄어쓰기をすると習ったけれどもネイティブの文章ではされていなかったりすることに気付いた方もいらっしゃるかもしれません。
例えばネイティブが書いた文で次のようなものが見られます。
上の例文5から7を正しく띄어쓰기したものが下の例文8から10です。
それぞれの例文について解説をすると、まず例文8のように“다섯”という数詞と“개”という単位は띄어쓰기をすると決まっています。
次に9には未来連体形“할”が含まれていますが、連体形と、それに続く修飾される名詞は띄어쓰기をすると決まっているため、“할”と“거”は띄어쓰기をします。
最後に10における“봐요”は「見る」という意味の動詞“보다”ではなく、文法用語で「補助形容詞」と呼ばれるものです。補助形容詞は띄어쓰기をすることが決まっています。
ここまでネイティブによって実際に用いられる例文とそれらを正しく띄어쓰기したものを見てみました。
띄어쓰기に限らず、ネイティブであれば間違えてもよしとされる場合でも、ノンネイティブが間違えると韓国語能力が低いと思われてしまう場合があります。
띄어쓰기の規則を知った上で、実際にはネイティブたちがどのように띄어쓰기を行っているか観察できるようになるのが望ましいです。
いかがでしたでしょうか?띄어쓰기の世界は深いですが、一方で常に関わる身近なものでもあります。一度きちんと学んで身に付けておくと韓国語学習がより豊かなものになりますよ^^
띄어쓰기について一緒に学んでみたい方はぜひ講座でお会いしましょう。
띄어쓰기を学びたい方におすすめの講座
19:30-21:00(90分)
講師:清水碧