こんにちは。韓国語講師の清水碧(しみずみどり)です。
-아/어서(~するので)の前には過去形-았/었-や意志、推量などを表す-겠-は付かないと習ったのに、実際には-았/었어서や-겠어서という形が使われています。
これらを使っても大丈夫なのか、この記事で見ていきましょう。

頻繁に登場する-았/었어서と-겠어서
規則では-아/어서の前に過去形-았/었-や意志、推量などを表す-겠-は来ることができないとされていますが、実際には頻繁に用いられていますね。
例えば次のような感じです。
지난번에 맛있게 먹었어서 한 번 더 시켜 봤어요.
この前食べた時おいしかったので、また注文しました。
어떻게 될지 잘 모르겠어서 생각이 좀 많아요.
どうなるかよく分からないので、悩んでいます。
規則通りだと먹었어서でなく먹어서、모르겠어서ではなく몰라서になります。
-았/었어서と-겠어서という形は基本的に話し言葉で登場しますが、最近ではドラマや動画の字幕でも目にします。
ドラマや動画の字幕は登場人物が話した言葉が標準語でない場合、標準語に直されることがあります。しかし、-았/었어서と-겠어서はそのまま字幕に出ることが多いです。
つまり規則上は認められていませんが、ネイティブの間ではある程度違和感なく受け入れられているようです。
次の項目からは-았/었어서と-겠어서についてもう少し詳しく見ていきます。
-았/었어서の具体例
-았/었어서の具体例にはどのようなものがあるか見てみましょう。
어릴 때 여기에 살았어서 잘 알아요.
小さい頃ここに住んでいたので、よく知っています。
너무 피곤했어서 집에 오자마자 누웠어요.
あまりにも疲れていたので、帰るなり横になりました。
계속 품절이었어서 못 사고 있었는데 드디어 구매했어요.
ずっと品切れだったので買えないでいたのですが、ついに購入しました。
살았어서のように動詞、피곤했어서のように形容詞、품절이었어서のように指定詞など、さまざまな品詞で-았/었어서の形が登場します。
それぞれ規則通りだと、살아서、피곤해서、품절이어서になります。
-아/어서は先行の動作、様態、原因・理由などさまざまな意味を表しますが、-았/었어서の形になるのは「原因・理由」の場合が多いようです。
つまり下の例文の場合は「先行の動作」を表すので、가서(行って)が갔어서にはなりません。
공원에 가서 친구들과 놀았어요.
公園に行って友達と遊びました。
(×)공원에 갔어서 친구들과 놀았어요.
-겠어서の具体例
-겠어서の具体例にはどのようなものがあるか見てみましょう。
효과를 잘 모르겠어서 다른 걸 써 보기로 했어요.
効果がよく分からないので、他のを使ってみることにしました。
도저히 못 고르겠어서 둘 다 샀는데 괜찮을까요?
どうしても選べそうになく、両方とも買ったのですが、大丈夫でしょうか?
그 상품이 유명해졌으면 좋겠어서 리뷰를 열심히 썼어요.
その商品が有名になったらうれしいので、レビューを一生懸命書きました。
それぞれ-겠어서を用いない表現にする場合、-겠-が入らない-아/어서の形にする、-겠-を付けられる-기에などの語尾を使う、-(으)ㄹ 것 같다を使った言い方にするなどの方法があります。
효과를 잘 몰라서 / 모르겠기에 다른 걸 써 보기로 했어요.
効果がよく分からないので、他のを使ってみることにしました。
도저히 못 골라서 / 못 고르겠기에 / 못 고를 것 같아서 둘 다 샀는데 괜찮을까요?
どうしても選べそうになく、両方とも買ったのですが、大丈夫でしょうか?
그 상품이 유명해졌으면 좋아서 / 좋겠기에 / 좋을 것 같아서 리뷰를 열심히 썼어요.
その商品が有名になったらうれしいので、レビューを一生懸命書きました。
-겠어서は特に一番上の例のように모르겠어서という形がよく用いられます。
これは-겠-が모르겠어요、모르겠습니다などの形で모르다とよく接続することと関係していると思われます。
いかがでしたでしょうか? -았/었어서と-겠어서の使用が増え、ある程度受け入れられているようですが、ネイティブによって感じ方が異なるのも事実です。
最近では-았/었어서と-겠어서は単なる誤用ではなく、-았/었-や-겠-が付くことで別の意味が加わるという見方も出てきているようですが、まだ明らかになっていない部分が多いようです。
今のところ規則上は認められていないので、検定試験の作文問題などでは用いないでおき、どのように使われているか観察してみるのがおすすめです。