こんにちは。韓国語講師の清水碧(しみずみどり)です。この記事ではㄷ変則の用言について学んでいきます。
この記事に登場する「으語尾」と「아/어語尾」、「正則」については「総まとめ」の記事を参照してね!
ㄷ変則の活用
ㄷ変則とは語幹がㄷパッチムで終わる用言の中で、으語尾と아/어語尾が付いたときに変則的に活用する用言のことです。
それでは、깨닫다(気付く)と듣다(聞く)を例に見ていきましょう。
으語尾と아/어語尾が付いたときに共通するのは、ㄷパッチムがㄹパッチムに変わるという点です。
その上で、으語尾が付く場合と아/어語尾が付く場合についてそれぞれ見ていきます。
으語尾が付くとき
깨달-、들-はㄹ語幹のように思えますが、元々は깨닫-と듣-なので으語尾が付くときは으が入った形が付きます。
아/어語尾が付くとき
語幹の最後の文字が陽母音(ㅏ、ㅑ、ㅗ)なら아が、陰母音(ㅏ、ㅑ、ㅗ以外)なら어が付きます。
ㄷ変則と正則の用言
語幹がㄷパッチムで終わる用言は正則(規則的に活用する)のものも多く、ㄷ変則の用言はそれほど多くありません。また、ㄷ変則は動詞だけで、形容詞はありません。
それでは、ㄷ変則の用言にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
まずは上で挙げた깨닫다、듣다についてです。깨닫다は「悟る」と日本語訳されることが多いですが、そこまで硬い感じではなく「気付く」くらいのニュアンスで用いられます。
듣다は音を「聞く」の他に薬が「効く」という意味もあり、약이 잘 들어요(薬がよく効きます)のように用いられます。日本語の「きく」も韓国語の듣다も「聞く」と「効く」の両方の意味があるのは面白いですね。
その他のㄷ変則の用言には以下のようなものがあります。
싣다は日本語の「載せる」と同じで、「物を載せる」だけでなく、잡지에 실은 글(雑誌に載せた文章)のように「掲載する」という意味でも用いられます。
次に正則活用する用言を見ていきましょう。
正則の用言には以下のようによく用いる単語がいろいろあります。
これらは正則なので、으語尾と아/어語尾が付くときは받으니까(受け取るので)、받아요(受け取ります)のように活用します。
意味によって変則・正則が変わるもの
つづりが同じでも意味によって変則か正則かが変わるものに묻다と걷다があります。まずは묻다を見てみましょう。
辞書形 | 活用の種類 | 으語尾 | 아/어語尾 |
묻다 尋ねる | ㄷ変則 | 물으니까 尋ねるので | 물어요 尋ねます |
묻다 埋める | 正則 | 묻으니까 埋めるので | 묻어요 埋めます |
묻다 付く | 正則 | 묻으니까 付くので | 묻어요 付きます |
「付く」は汚れなどが「付く」という意味で、옷에 소스가 묻었어요(服にソースが付いていますよ)のように用いられます。
次に걷다を見てみましょう。
辞書形 | 活用の種類 | 으語尾 | 아/어語尾 |
걷다 歩く | ㄷ変則 | 걸으니까 歩くので | 걸어요 歩きます |
걷다 (洗濯物を)取り込む | 正則 | 걷으니까 (洗濯物を)取り込むので | 걷어요 (洗濯物を)取り込みます |
「取り込む」という意味の걷다は빨래를 걷어요(洗濯物を取り込みます)という形で用いられます。걷다は他に「まくる」という意味のときも正則で、소매를 걷어요(袖をまくります)のように用いられます。
ㄹ語幹と紛らわしいㄷ変則の用言
ㄷ変則の用言とㄹ語幹の用言の中で、活用の結果、紛らわしい形になるペアがあります。例えば듣다(聞く)と들다(入る)です。
辞書形 | 活用の種類 | -(으)니까 | -(으)면 | 해요体 |
듣다 聞く | ㄷ変則 | 들으니까 聞くので | 들으면 聞くなら | 들어요 聞きます |
들다 入る | ㄹ語幹 | 드니까 入るので | 들면 入るなら | 들어요 入ります |
-(으)니까(~するから、~するので)と-(으)면(~するなら)は両方とも으語尾ですが、ㄹ語幹のときは形が変わる点、듣다と들다の해요体は同じ形になる点に注意しましょう。
いかがでしたでしょうか? ㄷ変則の用言はそれほど数が多くないので、よく用いる単語は活用した形ごと覚えてしまうのが便利です。