ㄹ語幹の用言を徹底解説! 韓国語の変則活用を学ぶシリーズ

ㄹ語幹の用言を徹底解説! 韓国語の変則活用を学ぶシリーズ

こんにちは。韓国語講師の清水碧(しみずみどり)です。語幹がㄹパッチムで終わるㄹ語幹の用言は、他のパッチムで終わる用言とは異なる特殊な活用をします。

この記事ではㄹ語幹の活用について見ていきます。

ㄹ語幹に語尾が付くときの基本ルール

ㄹ語幹は、直接語尾が付くときと으語尾が付くときに、パッチムが落ちる場合と落ちない場合があります。なお아/어語尾が付くときは常にパッチムが落ちません。

(直接語尾、으語尾、아/어語尾については「総まとめ」の記事を参照)

パッチムが落ちる条件について見る前に、ㄹ語幹に直接語尾と으語尾が付くときの基本ルールを確認しましょう。

まず、直接語尾の中には、母音語幹(パッチムがないもの)に付くときと子音語幹(パッチムがあるもの)に付くときとで形が変わるものがあります。

そして、으語尾は母音語幹に付くときは으が入らない形が、子音語幹に付くときは으が入る形が付きます。

しかし、ㄹ語幹は、パッチムがあるにもかかわらず、直接語尾、으語尾のどちらも母音語幹に付く語尾が付きます

手をあげているハナタス ハナタス

ㄹ語幹には、母音語幹に付く語尾を付けるよ!

母音語幹と子音語幹で形が変わる接続語尾の例
으語尾の例

パッチムが落ちる場合

では、どんなときにㄹ語幹のパッチムが落ちるのでしょうか。条件を見てみましょう。

ㄹ語幹のパッチムが落ちるのは「ㅅ、ㅂ、ㄴで始まる語尾」「ㄹパッチムで始まる語尾」が付く場合です。パッチムが「スポンと落ちる」と覚えましょう!

ㄹ語幹にㅅ、ㅂ、ㄴで始まる語尾が付くと語幹のパッチムが落ちる

놀다(遊ぶ)を例に具体的に見ていきましょう。まずは直接語尾の場合です。

ㄹ語幹にㅅ、ㅂ、ㄴで始まる語尾が付くと語幹のパッチムが落ちる具体例

ㄹ語幹には母音語幹に付くのと同じ-ㅂ니다が付きますね

-네요は、母音語幹・ㄹ語幹に付くときと子音語幹に付くときとで形の区別がない語尾です。

直接語尾でパッチムが落ちる語尾としては、上に挙げたものの他に、動詞の現在連体形の-는もよく使う語尾なので重要です。いくつか例を見ておきましょう。

ㄹ語幹の用言-는(〜する/動詞に付く現在連体形)
놀다
遊ぶ
노는
알다
分かる
아는
살다
住む
사는

次に으語尾が付く場合を見ていきます。ㄹ語幹は母音語幹と同じく으が入らない形が付きますね。それでは具体的に見ていきましょう。

ㄹ語幹の後ろに으語尾が付く場合の具体例

1つ注意が必要なのが、-ㄹ까요のようなㄹパッチムで始まる語尾の場合です。

結果として놀까요になるため、語幹のㄹパッチムが落ちていないように見えますが、これは語幹のㄹパッチムが一度落ちた後に語尾のㄹパッチムが付くと考えます。つまり以下のようなことが起こっています。

ㄹ語幹の後ろがㄹパッチムで始まる場合の具体例

パッチムが落ちない場合

「ㅅ、ㅂ、ㄴで始まる語尾」「ㄹパッチムで始まる語尾」以外の文字で始まる語尾が付くときは、パッチムが落ちません。

直接語尾と으語尾に分けて見ていきましょう。

ㄹ語幹のパッチムが落ちない場合の具体例(直接語尾)
ㄹ語幹のパッチムが落ちない場合の具体例(으語尾)

注意点は、-러(~しに)のようにパッチムではないㄹで始まる語尾が付くときは語幹のㄹパッチムが落ちないということです。-러の他に-려고(~しようと思って)などの場合も同様です。

ネイティブでも間違える?! 썰다(切る)の過去連体形が썰은は正しい?

動詞の過去連体形-(으)ㄴは、母音語幹には-ㄴが、子音語幹には-은が付くので、ㄹ語幹には-ㄴが付くということになります。

子音語幹の먹다(食べる)、삶다(ゆでる)、母音語幹の가다(行く)、ㄹ語幹の살다(住む)を例に見てみましょう。

子音語幹
母音語幹、ㄹ語幹

このように活用するのが原則ですが、実際にはㄹ語幹の動詞の過去連体形が子音語幹のように活用する場合があります。どういうことか썰다(切る)の過去連体形を例に見てみましょう。

썰다の例

このような現象はいろいろなㄹ語幹の動詞に見られますが、例えば줄다(減る)の過去連体形を줄은と言ったりもします。

規則通り活用させれば주다(あげる)と줄다(減る)の過去連体形は両方とも준になりますが、줄다を줄은と表現すれば2つの単語の過去連体形を区別できるということなのかもしれません。

また、過去連体形ではありませんが、날다(飛ぶ)の現在連体形を나는ではなく날으는と言う例も多く見受けられ、하늘을 날으는(正しくは나는) 비행기(空を飛ぶ飛行機)のように表現されることがあります。

子音語幹のように活用するㄹ語幹は誤用ですので、ネイティブでも違和感を覚える人も多いようです。

従って自ら積極的に使うというよりは、このような使われ方に出合った際には、前後の文脈を観察してみたり、ネイティブの意見を聞いたりしてみるのがおすすめです。

もっと知りたいハナタス
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