韓国語を学び始めて、一番最初に訪れる難関は「発音変化」ではないでしょうか?
ハングルの母音と子音を覚えて、早速読んでみよう!と思ったのに、文字通りに読まない単語が多すぎる……。それは、韓国語は表記と発音が一致しない、「発音変化」がたくさん起きているからなのです。
この記事は
- 初めて「発音変化」を知る方
- 「発音変化」がなかなか覚えられない方
- 一通り「発音変化」は学んだけれど実際の会話でスムーズに話せない方
に向けて、「発音変化」のルールを一つひとつ分かりやすく解説していきます。
シリーズの第3弾では、「連音化」と呼ばれる発音変化について学びます。
(発音変化の全容については「総まとめ」の記事を参照)
3回目のこの記事は、連音化編!
連音化とは
連音化の基本的なルールはとても単純です!
パッチムの次に、母音(ㅇで始まる文字)が来ると、パッチムに書かれていた子音がㅇの位置に移動して発音されるというものです。
もう1つ発音で注意が必要なのは、パッチムㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈが連音化した際、有声音化が起こるということです。
つまり어학원(語学院)が連音化して[어하권]となったとき、[オハクォン]ではなく[オハグォン]、同様に[タタヨ]ではなく[タダヨ]、[パピエヨ]ではなく[パビエヨ]と有声音化します。
また、「パッチムの次に、母音(ㅇで始まる文字)が来ると」と冒頭でルールを説明しましたが、パッチムの中でもㅎ、ㅇパッチムは連音化しません!
ㅎパッチムは完全に音がなくなり、発音されません。これを「ㅎの無音化」と言います。
ㅇパッチムの場合は、パッチムを発音した上で、次の母音も発音します。つまり表記通りに発音されます。
二重パッチムの連音化
簡単なルールに見える連音化で、注意が必要なのが異なる子音字2つから成る二重パッチム(複合パッチムとも呼ばれる)です。
(二重パッチムについて詳しく知りたい人はこちら)
二重パッチム!
ㄳ、ㄵ、ㄶ、ㄺ、ㄻ、ㄼ、ㄽ、ㄾ、ㄿ、ㅀ、ㅄ
二重パッチムの次に母音が来ると、左側の子音がパッチムとして発音され、右の子音がㅇの位置に移動して発音されます。
ただし、ㅎを含む二重パッチムㄶ、ㅀは要注意です! ㅎパッチムは完全に音がなくなり、発音されない「ㅎの無音化」が起こるため、この2つの二重パッチムだけはㅎが消え、ㄴ、ㄹがㅇの位置に移動して発音されます。
文法を学ぶ際に大切な連音化
連音化は単語内でも頻繁に起こる発音変化ですが、助詞や語尾と結び付いたときにも起こります。
例えば「〜が」を表す助詞~이/가ですが、「前に付く単語の最後にパッチムがある場合は이が、ない場合は가を付けます」と習いましたよね?
これはつまり、母音で始まる助詞を付けることで、パッチムの音を連音化して滑らかに発音するためです。
語尾でも、例えば-(으)면なら、「語幹末にパッチムがある場合は으면を、ない場合は면を付けます」と習います。これも同様の理由からです。
パッチムの発音を滑らかにするために、母音で始まる助詞や語尾を付けると覚えておくと、どっちを付けるんだっけ?と迷うことが少なくなるはずです。
連音化の応用編
最後に2単語間や合成語で起こる特殊な連音化について学びます。
(入門段階ではこちらのルールは知らなくても大丈夫です。難しければ読み飛ばしてください!)
次のように2つの単語間や、合成語と言われる2つの単語からなる1単語内では、パッチムの代表音を連音化させます。
パッチムの代表音は次の通りです。改めて確認しておきましょう。
パッチム | 代表音 |
ㄱ、ㄲ、ㅋ、ㄳ、ㄺ | [ㄱ] |
ㄷ、ㅅ、ㅆ、ㅈ、ㅊ、ㅌ | [ㄷ] |
ㅂ、ㅍ、ㅄ、ㄼ、ㄿ | [ㅂ] |
2単語間、合成語で起こる連音化を具体的に見ていきましょう。
このルールはあくまで2単語間、もしくは合成語において起こります。
それ以外は代表音ではなく、パッチムの文字の音自体が連音化することに注意しましょう。
2単語間、合成語 → 代表音を連音化させる
옷 위 [오 뒤] 服の上
꽃 아래 [꼬 다래] 花の下
それ以外(助詞や語尾が付いたとき)
옷은 [오슨] 服は
옷이에요 [오시에요] 服です
꽃이 [꼬치] 花が
꽃입니다 [꼬칩니다] 花です
ちなみに、2単語間や合成語で起こる発音変化で「ㄴ挿入」というものがあり、2つの単語の後続の単語が이、야、얘、여、예、요、유で始まる場合は、連音化せず「ㄴ挿入」が起こるのですが……。これはまた「ㄴ挿入」の回で説明します!
今回は
この3点を覚えておいてください!
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