存在詞や指定詞があるのは日本だけ? 韓国にはない2つの品詞がある理由

存在詞や指定詞があるのは日本だけ? 韓国にはない2つの品詞がある理由

韓国語には4つの用言、つまり動詞、形容詞、指定詞、存在詞があると習った人は多いでしょう。ですが、韓国に留学すると、指定詞や存在詞という名前は出てきません。この2つはどこに行ったのでしょうか?

韓国では、用言は「動詞」「形容詞」の2つだけ

韓国語の文法体系にはいくつか種類があり、それによって用言の分類方法も異なります。

韓国の語学学校で一般的に教えられる文法では、用言は動詞と形容詞の2つに分けられます。있다(ある・いる)、없다(ない・いない)、아니다(〜でない)は形容詞に含まれ、~이다(〜である)は名詞に直接付くという特徴から助詞の仲間に含まれています。

しかし、있다、없다、아니다はそれぞれ一般的な形容詞とは異なる活用をするので、純粋な形容詞と見なすのは難しいのです。どのように異なるのか見ていきましょう。

存在詞(있다、없다)の特徴

まず있다と없다の2語は、場合によって動詞に付く語尾を取ったり、形容詞に付く語尾を取ったりします。つまり、動詞と形容詞の中間に位置しています。

どのように活用するのか、活用形ごとに示してみましょう。

動詞있다・없다形容詞
現在連体形・없작은
-는데/(으)ㄴ데는데는데・없는데작은데
-는군/군먹는군・없
-는다/다먹는다・없

太字になっている部分が、共通の形になっています。上の表を見ると、例えば現在連体形では動詞と있다・없다に同じ語尾-는が付きますが、-는군/군では形容詞と있다・없다に同じ語尾-군が付くということです。

またそれ以外に、있다については命令形語尾を付けて있어라、勧誘形語尾を付けて있자などの形を作ることができます(없다の場合は不可能)。

この点でも、動詞に近い性質を持っています。形容詞は普通、命令形や勧誘形にすることができません。

手をあげているハナタス ハナタス

있다や없다は、動詞っぽいところがある形容詞と言えるね!

指定詞(아니다、이다)の特徴

아니다は形容詞とほぼ同じ活用をしますが、平叙文の引用形と、-아/어で始まる語尾が付くときに特殊な形が出てきます。

形容詞との違いを見てみましょう。形容詞の例として、어리다の活用を出してみます。

어리다아니다
平叙文の引用形어리다고아니라고
-아서/어서어려서아니라서(아니어서)
-아요/어요어려요아니에요(아니어요)
パンマル어려아니

太字部分が、形容詞とは違う特殊な形です。もし形容詞と同じであれば、아니다고や아녀서などのようになるはずですが、そうなっていません。

また~이다は、上で書いた通り韓国では一般的に助詞とされていますが、아니다とまったく同じように活用します。活用が同じという点に注目して、~이다を用言と見なし、아니다と~이다を1つのグループにまとめることができます。

手をあげているハナタス ハナタス

一方、韓国の文法では、~이다はちょっと特殊な「活用する助詞」として扱われているよ。

これらの点を考慮して、日本では、韓国語の用言を動詞・形容詞・存在詞(있다、없다)・指定詞(~이다、아니다)の4つに分ける考え方が広く使われているわけです。

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