行くたびに新しいポップアップストアやショップがオープンしている、韓国イチのホットプレイス・성수（聖水）。どこも作りこまれたインテリアなのに日本では考えられないスピードでできては消え、話題が尽きることがありません。
そんな韓国の独特ともいえる異常なポップアップ熱、ニューオープンの速さを通して、熱しやすく冷めやすい、韓国人の빨리 빨리（早く早く）精神についても考えてみたいと思います。
記事の目次
韓国企業の本領発揮！無料のポップアップストアを思う存分楽しんで
핫플（ホットプレイス）と言われるようになって、もう7年はたつでしょうか。昔は車の整備工場や靴の問屋などが軒を連ね、どちらかというと労働者の街でおしゃれとはかけ離れた存在だった聖水洞。
それ故に“서울の山手線”と言われる地下鉄2号線沿いにありながら不動産が割と安かったため、そこに目を付けた若者がカフェやアトリエを次々にオープンして、今のような発展を遂げたといわれています。
最近の聖水はポップアップストアが常に5カ所以上は開かれている熱狂ぶりで、外国からのお客さまも目立ちます。
ちなみに、ポップアップストアとは、企業が広告も兼ねて2～4週間ほどの短期間のみ出店する期間限定ショップのこと。先日、渋谷でも韓国のハンバーガーブランド「맘스터치（Mom’s Touch）」のポップアップが開かれていました。
私も今回の記事を書くに当たって、どこのポップアップに行こうかなと検索をした結果、韓国の焼酎ブランド「선양（鮮洋）」のポップアップが開かれていることを発見！
ポップアップとは思えない規格外の仕掛けを体感しに行ってきました。
工場街に突如現れる真っ青な外観。クジラが描かれた回転式の扉を開けた先はまるでアミューズメントパークのような構成で、終始ゲストを楽しませてくれます。
まずは屋内とは思えないスケールのプールを、青いボートに乗ってぐるりと遊覧。周りはみんなカップルだったので、子育てに疲れたアラフォー아줌마（おばさん）が一人で乗る姿は異様だったと思います。
それでもスタッフのお兄さんは優しくアテンドしてくれて、やっぱり韓国男子ってすてきだなあと感服。その考えがおばさんそのものなのだろうけれど……。
その後も「チームラボ」ばりの光のファンタジーを体感。これが全て無料とは驚きです。
企業の商品を無料で体験できるのもポップアップストアの魅力の一つ。鮮洋ではゲームのミッションをクリアすると焼酎を無料で試飲できる他、シールの無料配布なども行っていました。
おしゃれなカフェやショップがオープンラッシュの聖水は、歩くだけで発見のある楽しい街
平日といえど、海外からの観光客や地元の会社員、若者で大にぎわいの聖水。他のエリアで人気を博したカフェやブランドが聖水で新たにオープンすることもよくあります。
次は익선동（益善洞）で人気のチーズ・イン・ザ・ストーリーの新店をチェック！お店の外では益善店と同じ牛のオブジェがしっぽを振って出迎てくれます。
米国の片田舎にある倉庫をイメージしたインテリアもすてき！カントリーミュージックが流れる店内はディズニーランドのクリッターカントリーエリアにいるような感覚になるほど、完成度が高めです。
牛を模したチーズサンドのベーグルや、クリームチーズがトッピングされた不思議なコーヒーなど、ここでしか楽しめないメニューも豊富。自家製チーズやチーズケーキも販売しているので、チーズ好きの方はぜひチェックを！
치즈인더스트리 성수
（チーズ・イン・ザ・ストリー聖水）
서울특별시 성동구 성수이로18길 37
0507-1303-5815
11:00～22:00
無休
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続いては、韓国のハイセンスなセレクトショップ「EQL」へ。国内外から厳選したアパレルやインテリア雑貨を豊富に扱います。
エッジの効いたデザインのスウェットや、ボリュームのあるダウンなど、“ゆるっとカジュアル”がはやりの韓国。Kファッションに興味のある方に강추（超おすすめ）なショップです。
洋服がリフトで動いたり、スニーカーが回転ずしのように回ったり。ディスプレーも独特で、韓国の若い世代はどうしてこうも発想が豊かなのだろうと驚かされます。
私が初めて韓国を訪れた20数年前には想像もできないような発展を遂げた今の韓国。日本が数十年かけて成長したのに、得意の빨리 빨리精神であっという間に追いつき、追い越してしまった感もあります。
EQL 성수점
（EQL 聖水店）
서울특별시 성동구 연무장15길 11 EQL
0507-1381-8526
11:00～20:00
無休
Instagramはこちら
TAMBURINSの新店は目からうろこの大胆な設計
最後は11月18日にオープンしたばかりの「TAMBURINS」を訪れましたが、その列の長さにびっくり！訪問客の多くは海外からのゲストで、行列の割にすぐ入ることができました。
地上には店舗を構えず、あえて地下にフロアを構成。上階は鉄筋のみ残す形でお店全体がアートのような存在に。ぜいたくな空間設計で、“型にはまらない美しさを追求する香りのコスメブランド”というコンセプトをしっかりと発信しています。
ろう人形の老夫婦がいたり、見上げれば外に並ぶ人々が見えたり。ちなみに、聖水オープン限定で展開した香水を購入したらもらえるパールのストラップはすでに完売していました。
탬버린즈 성수 플래그십스토어
（タンバリンズ 聖水 フラッグシップストア）
서울특별시 성동구 연무장5길 8
0507-1491-2126
11:00～21:00
無休
Instagramはこちら
新しいお店を見つけてハッピーになる反面、その横では旬が過ぎてクローズする店舗も。ポップアップストアも同じように、短い展示期間が過ぎるとあっさりと壊されてしまいます。
聖水の街のあちこちにあるたくさんの瓦礫を見ると、この国はもう少し環境問題への意識を高めなくてはならないのではとも思います。
これからの聖水洞にはどのような変化があるのか……またいずれご紹介します。
