동대문(東大門)から2号線でひと駅。신당(新堂)駅近辺は떡볶이(トッポッキ)の街として韓国人には知られていますが、外国人には意外と知られていない穴場スポット。
最近は雰囲気のいいカフェもオープンし、散歩がより楽しくなりました。昔ながらの재래시장(在来市場)もあり、市民の暮らしが垣間見れるのもいいですね。
野菜たっぷりの即席トッポッキが生まれた街
今では定番と化した、野菜やおでん、スパムなどが入ったボリュームたっぷりの즉석떡볶이(即席トッポッキ)。
もともとは宮廷料理だったトッポッキを“国民のおやつ”として昇華させたのは、新堂にある「마복림할머니집(マ・ボンリムおばあちゃんの家)」が始まりです。
このマ・ボンリムおばあちゃんが偶然、짜장면(ジャージャー麺)のソースにお餅を落として、食べてみたらおいしかったことから生み出された即席トッポッキ。
この界隈には10数軒の即席トッポッキ店が軒を連ね、定休日をずらしながら365日、即席トッポッキを食べられるようにしています。
昔ながらの食堂だったり、市場だったり。서울(ソウル)市が未来に残したい“ソウルの魅力”に対して名付けた「서울미래유산(ソウル未来遺産)」。
떡볶이타운(トッポッキタウン)にもその称号が与えられ、ゲートに記されています。
トッポッキタウンは地図で言う赤いスペース。青いスペースには居酒屋が多く集まり、夜はとても賑やかになります。
こちらが即席トッポッキの元祖「마복림할머니집(マ・ボンリムおばあちゃんの家)」。
2人前からしかオーダーできないので残念ながらこの日は違うものを食べることにしました(写真がなくてごめんなさい)。
看板に書かれた「며느리도 몰라 아무도 몰라(嫁も知らない、誰も知らない)」という頑固そうなコメントに惹かれました。
店舗詳細
トッポッキタウンを横目に私が選んだお昼ご飯は、해장국(酔い覚ましスープ)。とても寒い日だったので温かい鍋ものが食べたくなり、年配の方が続々と入っていくこのお店に直感で決めました。
店舗詳細
新堂駅の5番出口からすぐ。24時間、365日営業というのは、近くに眠らない街・東大門があるからでしょうか。客層は年配の方ばかりで期待が高まります。
看板メニューは순대국(腸詰めのスープ)のようですが、순대(腸詰め)はつい最近食べたばかりだったので、해장국(酔い覚ましスープ)(9000W)にすることに。
骨付き肉がゴロッと入ったボリュームたっぷりの鍋にテンションアップ!
韓国の食堂でときどき見かける계란후라이(目玉焼き)のセルフコーナーも! 韓国では目玉焼きはたっぷりの油で揚げ焼きにするのが定番です。
これが김치(キムチ)&김(韓国のり)と抜群に相性がいいので、ぜひ試してみてください。
テレビでは윤석열(尹錫悦)大統領の弾劾についてのニュースが延々と流れていました。政治の話は避けたほうがいいのかもしれませんが、また反日政府になってしまうのかと思うと、気持ちが暗くなりますㅠㅠ
昔ながらの路地に今どきのカフェが並ぶヒップダンドン
2023年あたりから、新堂駅1番出口の裏あたり一帯を、힙(HIP、ヒップ)と신당동(新堂洞)を併せて힙당동(HIP堂洞、ヒップダンドン)と呼ぶように。
以前は厨房道具や中古の家具を売る商店がたくさんありましたが、今ではすっかり減った様子。代わりに今どきのカフェやレストランがちらほらと見られるようになりました。
平日のヒップダンドンは割とひっそりとした雰囲気。カフェも営業はしていますが、人影はまばらです。
ハンバーガーとカフェが並ぶここだけを切り取ったら、성수동(聖水洞)と見間違えるほどおしゃれです。
멋스럽다、멋지다など、かっこいい意味が含まれている“멋”を壁に大きく描いた印象的な建物も。
おしゃれなカフェのすぐ横で、穀物を売る商店や中古の家庭製品を売るお店を発見。この“ちぐはぐ”が何とも韓国らしくてワクワクします。
空に目をやると、流行りのアパレルブランド「세터(SATUR)」の看板が。気になって建物の1階まで行ってみましたが、全く異なるレストランが入店していました。
中央市場のすぐ横で見つけた日本風居酒屋。韓国では「간바레 오또상(がんばれ父ちゃん)」という日本酒がかなり有名なので、そこからネーミングされたのでしょうか。
コロナ以降、こういった日本風の居酒屋が本当に増えました。
ソウル中央市場で地元の人の暮らしを垣間見る
ソウルにはいくつもの在来市場がありますが、新堂駅1・2番出口の間に位置する서울중앙시장(ソウル中央市場)はソウルの中心部にありながら、外国人観光客が圧倒的に少ない穴場ともいえるスポット。
참기름(ゴマ油)や고춧가루(唐辛子粉)など、市場で買いたい韓国食材や韓国아줌마(おばさん)が愛用するド派手なエプロン、おいしそうな屋台など、市場ならではの楽しみがいっぱい詰まっています。
右も左も、食べ物を扱うお店から衣服、日用品までさまざまな商店が軒を連ねます。市場名物ともいえる、道の真ん中をオラオラと走り抜ける暴走オートバイも多いのでご注意を。
寒さが厳しい韓国ではさまざまな保存食品があります。先代の知恵は素晴らしいですね。また、外の湿度は30%ほどととても乾燥しているので、乾物もよく乾きます。
小腹が空いているときに분식(粉物の飲食店)の看板を見て我慢できる人は、そうそういないはず。寒い時期は白い湯気がもくもくと上がり、さらに食欲をそそります。
市場で買いたいものと言ったら、ゴマ油と唐辛子粉。市場のゴマ油はその場で抽出するお店が多いので、とても香り高く新鮮です。
秋から冬にかけて出まわる홍시(熟した柿)が並ぶ果物屋さん。かたいときは苦くてとても食べられるものではないのですが、熟すと甘みがいっきに増してジュルッとゼリーのようになります。
木べらに雑穀名が書かれているのがかわいいですね。日本では銀色に輝く白米が抜群においしいので何も混ぜないで食べることが多いですが、韓国ではご飯に雑穀を入れて炊くことがよくあります。
店舗情報
メジャーな観光地もいいですが、何度もソウルを訪れている方はぜひ新堂洞に足を運んでみてください。高層ビルの狭間に、まだ昔懐かしい街並みが残っています。