すっかり秋めいてきた서울（ソウル）。一年のなかでも過ごしやすい時期で、オープンテラスのカフェでおしゃべりを楽しむ人が目立ちます。
今回はおしゃれストリートとして名を馳せる가로수길（カロスキル）とその裏通り、少し足を延ばして압구정 로데오거리（狎鴎亭ロデオ通り）へ。서울 강남（ソウル・江南）の“今”をお届けします。
韓国初の「ラルフズコーヒー」がカロスキルにオープン
2000年初頭から「カロスキル」と呼ばれるようになり、海外資本のハイブランドが軒を連ねるようになった街路樹通り。
コロナ過ですっかり元気がなくなり、その後も明洞のように復活を遂げることなく、現在は임대（賃貸・テナント募集）の店舗がずらりと並んでいます。
イチョウ並木が黄金色に色づく紅葉のころには、美しい風景を見ることができるカロスキル。しかし、足元には大量の銀杏が落ちるので、銀杏特有の“におい”との闘いも大変です。
以前はカロスキルの象徴ともいえる「커피스미스（コーヒースミス）」のカフェが入っていた建物も、今では高速ターミナルの地下街にありそうな店舗が入店。
黄色の外装が、なんとなくカロスキルのイメージにそぐわないないような……。
もぬけの殻の建物が続き、道行く人もまばらです。以前は道路沿いでアクセサリーなどを売る商店もありましたが、最近はめっきり見なくなりました。
そんなカロスキルで1軒、SNSで話題を呼んでいる店舗があります。それは「폴로 랄프로렌（ポロ・ラルフローレン）」のカロスキル店。
日本では東京や大阪、京都など大きな都市ににありますが、韓国では初となる「랄프스 커피（ラルフズコーヒー）」が9月、このカロスキル店の1階にオープンしました。
場所はH＆M系列のブランド「ARKET」の店舗の前。マグカップやエコバッグなど、カフェオリジナルのグッズも販売しています。
カロスキルに行くなら裏道の「島山大路11キル」がおすすめ
カロスキルから東に1本入った通りに도산대로11길（島山大路11キル）があります。
この通りはカロスキルと打って変わって、話題のカフェやショップが続々とオープン。私が訪れた日も日本人観光客を何人か見かけました。
韓国フレグランスブランドの中でも人気が高い「논픽션（ノンフィクション）」のショップも。ガラス張りの開放的な店内で、落ち着いて好みの香りを選ぶことができます。
こちらはオープン2周年を迎えた「아로마티카（アロマティカ）」。ヘアケア、ボディケアアイテムが充実していて、基礎化粧品やアロマも扱っています。
ギフト包装がしゃれているので、シャンプーやリンスを贈り物として包むのもおすすめです。
ほかにも、島山大路11キルには「탬버린즈（タンバリンズ）」のフラッグシップストアがあったり……。
同じく블랙 핑크（ブラックピンク）の제니（ジェニー）がモデルを務める「젠틀몬스터（ジェントルモンスター）」も。
おにぎりとクロワッサンを掛け合わせた“오니와상（オニワッサン）”なるユニークなスイーツで人気を博したでジェントルモンスターが手掛けるカフェ「누데이크（ヌデイク）」もこの通りの界隈に。
以前は行列必至でしたが、最近は落ち着いたようです。
狎鴎亭ロデオ通りは夜がメインの街
カロスキルよりも前になる、1990年代からこの名前がついていた狎鴎亭ロデオ通り。
当時から狎鴎亭は高級エリアで、ギャラリア百貨店を筆頭にハイブランドの中古品を売る店舗などが点々とありました。
その後、2000年に入ってセレクトショップがオープンするようになりましたが、2015年ごろから閉店が目立つように。
今ではクラブの街として知られ、昼間のロデオ通りは静かな雰囲気です。
ロデオ通りの入口にあるモニュメント。写真右側に「안전지대（安全地帯）」という店名のセカンドショップがありますが、外で流れるBGMはなぜか米津玄師でした。
かつてロデオ通りで有名だったカフェ「파스쿠찌（パスクッチ）」も閉店。ドラマ「천국의 계단（天国の階段）」や「아름다운 날들（美しき日々）」を見てパスクッチを訪れた人も多いでしょう（私もその1人）。
朝は10度近くまで下がりますが、昼間は20度前後と過ごしやすい日が続くソウル。オープンテラスのカフェでお茶をすると、不思議といつも以上にコーヒーがおいしく感じます。
