記念日やお客さまを迎えるときなど、韓国人がここぞという時に食べる料理と言ったら、한우(韓牛)の焼き肉が最もメジャー。
ソウル市内にもたくさんの韓牛焼き肉店がありますが、畜産物市場で食べる牛焼き肉はやはり他店より安くて絶品! ぜひ一度訪れてみてください。
食事をするなら焼肉横丁タウンがおすすめ
동대문(東大門)駅からタクシーで10分ほどの場所にある마장동 축산물시장(馬場洞畜産物市場)。
以前はその入り口ゲート付近に焼肉横丁がありましたが、2022年3月の火災によって全て閉店してしまいました。
その後2023年秋に、焼肉横丁にあった店舗が入る「마장먹자골목타운(馬場焼肉横丁タウン)」なるビルが完成。
2~5階の4フロアに12店の焼き肉専門店が入店しています。
馬場洞で焼き肉を食べるなら、この馬場焼肉横丁タウンがおすすめ。
畜産物市場内にも韓牛焼き肉の店舗や、自分でお肉を選んで2階の食堂でお肉を焼いて食べるシステムの店舗がありますが、観光客には少しハードルが高めです。
この焼肉横丁タウンの店舗はお肉の値段が決まっているので、明朗会計で安心。
数ある店舗の中でもポータルサイトNAVERの口コミ評価が高い「대구집(大邱家)」に行くことに。日曜のお昼時、多くのお客さんでにぎわっています。
霜降りが美しい、最上級の1等級++の韓牛セット(500g、8万ウォン)。업진(牛の三枚肉)、갈비(カルビ)、살치(霜降りロース)がセットになっています。
子どもがいたため、食べやすい차돌박이(薄切り牛肉)のハーフサイズ(150g、2万ウォン)もオーダー。
천엽회(センマイ刺し)や、日本では食べられなくなってしまった간회(レバ刺し)は基本的には無料でサーブされますが、金曜日の夜に大量に出てしまったときは、週末には売り切れとなってしまうのだとか。
私は「일본에서 왔는데~(日本から来たのに~)」とアピールして隣のお店から分けてもらうことに。
塩とコショウの入ったごま油につけて食べるとたまらなくおいしいですが、これで食中毒を起こす可能性も無きにしもあらず。心配な場合は食べない or 焼いて食べた方がいいでしょう。
お肉は自分で焼くスタイル。まずはシンプルに、塩につけてひと口。そして次は상추(サンチュ)の양념(甘辛ソース)あえと一緒にどうぞ。
とろけるほどおいしく、炭火の遠赤外線で焼いているので肉汁が閉じ込められていてジューシーです。もちろん、공깃밥(白いご飯、1000ウォン)との相性も抜群。
いろいろな部位を少しずつ楽しむ日本の焼き肉もいいですが、大量のお肉をガツンと食べる韓国式もたまらなくGOOD! 心なしか元気になった気さえします。
1986年から続く大邱家。持ち帰り用の국거리(切れ端)も購入してみましたが、こちらは筋ばかりでおすすめできないのでご注意ください。
店舗情報
お肉の聖地! ディープで刺激的な馬場畜産物市場
韓国全土の畜産農家から送られてくる畜産物と輸入肉を取り扱い、原産地と価格の掲示が義務化されている馬場畜産物市場。
市内のマートやスーパーよりも手頃なのはもちろん、내장(内臓)の類や소혀(牛タン)など普段は購入できない希少な部位が手に入ることでも知られています。
観光で訪れたらお肉を買うことは難しいですが、市場内を見て回るだけでもカルチャーショック。
内臓系をはじめ、豚の頭や豚足など、なかなかグロテスクな光景を目の当たりにしますが、この国の人々のパワーの源を見られるようで普段の旅行とは違う楽しみを味わうことができます。
歩いていると客引きのお兄さんがちらほらいます。皆、お肉屋さんにふさわしく立派な体格。中には黒いサングラスにスキンヘッドの人もいて、若干怖かったです。
韓国では肉屋の照明が赤いことがよくあるのですが、それは肉の色をよく見せるためなのだとか。いいお肉の見極め方はいくつになっても難しいです。
センマイや새끼보(コブクロ)などが店頭にドーンと置いてあるのも、ここでは当たり前。命を頂いていることを改めて感じます。
市場の入り口には筋骨隆々な黄金の牛と小さな豚のモニュメントが。後ろの白いフェンスの先にあった焼肉横丁の店舗が、火災によって前出のビルに移転しました。
首都圏の畜産物の流通の60~70%をカバーしているという馬場畜産物市場。
육회(ユッケ)通りで知られる광장시장(広蔵市場)の店舗も、ここから卸された鮮度のいい牛肉を毎日仕入れているのだそう。
ディープなソウルを楽しみたい方はぜひチェックを!