韓国人が愛してやまない袋入りのインスタントラーメン(即席ラーメン)。家で食べるのはもちろん、食堂で食べるとさらにおいしく感じるから不思議です。
今回は『韓国語学習ジャーナルhana Vol. 47』の「ラーメンがおいしい식당(食堂)探訪」記事で紹介した2軒をご紹介。たかがインスタントラーメンとあなどるなかれ!なおいしさで必見です!!
優しいアジュンマ(おばさん)が作るラーメンにファン多数!
경복궁(景福宮)駅の近くにあり、インスタントラーメン専門の食堂として地元のみならず、遠方からのファンも多い라면점빵(ラーメン店パン)。
불고기 라면(プルコギラーメン)や순두부 라면(純豆腐ラーメン)、카레 라면(カレーラーメン)など、ラーメンの種類は20種類、他に김밥(キンパ、韓国式のり巻き)もあり、朝9時半のオープンから客足が途絶えません。
2015年には伝説のグルメ番組「TastyRoad」でSHINeeのKEYが訪れ、大絶賛。同じくグルメ番組の「백종원의 3대천왕(ペク・ジョンウォンの3大天王)」でも紹介されたインスタントラーメンの有名店です。
今回は1番人気の버섯들깨라면(キノコエゴマラーメン、7500ウォン)をオーダー。
基本の袋麺は「신라면(辛ラーメン)」で、それを韓国ならではの뚝배기(土鍋)でグツグツと煮込みます。
「土鍋で煮込むとうまみをギュッと凝縮できておすすめ。冷めにくいですし、上にのせた具材がすぐに乾燥することもないですよ」と、オーナーの아줌마(おばさん)が優しく教えてくれました。
強火で一気に加熱して、秘伝の自家製スープも混ぜたラーメンは家で食べる一杯とは全く違う味。
オーナーいわく、冷凍でもいいので野菜や肉をたっぷり入れるとラーメン特有のしょっぱさが和らいで味に深みが出るのだとか。
普段のラーメンをワンランクアップさせるには、粉末スープと共に煮干しや昆布などの出汁を使うのも効果的。お店では秘伝のスープを加えていました。
そして、エゴマの粉やゴマなど、香りが立つものを最後にかけて風味を加えるのもGOOD! そのまま食べても十分おいしい韓国のインスタントラーメンが、さらにおいしくなります。
移り変わりの激しいソウルで20年以上お店を切り盛りしているオーナーの“世話好きな엄마(お母さん)”という雰囲気もお店の魅力の1つ。
故郷の母の味を求めて、一人で訪れる常連の男性が多いというのもうなずけます。ちなみに、娘さんは日本の男性と結婚したそう。
そのため日本のお客さんにもとてもフレンドリーです。お店では辛さを10段階から選べるので、辛い物が苦手な人もぜひトライしてみて。
店舗情報
大学のある街ならではの安さとボリューム、うまさで大人気
경희대학교(慶熙大学)がある街・회기(会基)の路地に、ラーメン好きの間では有名な一軒があります。
その名は레알라면(レアルラーメン)。2004年にオープンしました。
オーナーが幼い頃はラーメンが高級品だったため、「貧しかった当時、食べたくても食べられなかったラーメンをもっと身近に、おなかいっぱい食べてもらいたい」という思いから始めたそう。
コンビニ「emart24」とコラボしたオリジナルの麺を使ったラーメンは辛さの中にも独特の風味があり、クセになります。
辛さはイエロー、オレンジ、レッドの3段階からセレクト可(各6500ウォン)。写真のイエローは一番辛くないはずが、それでも辛い!
「日本人の友人に教えてもらったかつお節が、韓国のインスタントラーメンとも相性抜群で。水ではなく、かつお節などの出汁を使うことで断然おいしくなりますよ」とオーナーが直伝してくれました。
レアルラーメンではかつお節に加えてタマネギでも出汁をとっているそう。
大学のある街といったら、安くてボリュームのある食堂が多いことで知られています。
ここも同じく、育ち盛りの学生向けにチーズやモヤシ、油揚げなどのトッピングは自由に、どれだけかけてもOK!
韓国のラーメン店には珍しく1000ウォンで替え玉ができる上、백미(白米)と김자반(のりのふりかけ)もお代わり自由なので、残ったスープをアレンジしておなかいっぱい食べて行く学生も多いのだとか。
店内には思い思いのコメントが書かれた付箋がびっしり! これぞ韓国の人気店という雰囲気で、テンションが上がります。
店舗情報
このお店が紹介されている書籍
定価:1491円(本体1355円+税10%)