백제(百済)時代最後の都として知られ、遺跡や山城が多くある부여(扶余)。
서울からは車で2時間半ほどかかり、鉄道もないためアクセスはあまり良くありませんが、行ってみたら意外と快適。
韓国一といううわさも流れる、한우(韓牛)焼き肉も堪能してきました。
韓国最大規模の歴史テーマパーク! 誰でものんびり過ごせる百済文化団地
今回の旅の目的は、충청남도 부여군(忠清南道扶余郡)にある백제문화단지(百済文化団地)に行くこと。
韓国最大規模の歴史テーマパークとして知られ、百済の王宮を再現した사비궁(泗沘宮)や代表的な寺院である능사(陵寺)があるほか、巨大屋内プールを併設している롯데のリゾートホテルや롯데아울렛(ロッテアウトレット)も集まる一大アミューズメントスポット。
韓国の小学校は、プライベートで休んでも体験学習のレポートを提出すれば出席扱いになるシステムなので、息子は学校を1日休んで、混雑知らずの平日に行ってきました。
外国人観光客が戻ったソウルの경복궁(景福宮)や창덕궁(昌徳宮)は連日多くの人でにぎわいますが、扶余はまるで別世界のように静かで、流れる時間もゆっくり。
子連れで訪れる人もちらほら見え、古宮と言えど敷地内ではレンタサイクルやボール遊びもOKと、自由な雰囲気でした。
施設情報
韓国一ともいわれる魅惑の韓牛焼き肉。そのお味は……
惜しまれつつも2019年に終わった韓国の超有名グルメ番組「수요미식회(水曜美食会)」の記念すべき第1回で、韓牛焼き肉の頂点を極めたのが扶余にある서동한우(薯童韓牛)。
高くて手が届かない1等級の韓牛ではなく、あえて2等級のメス牛を仕入れ、それを50日から120日熟成させて旨みを閉じ込め、脂肪分を減らして1等級以上の味にさせるという職人技で注目を集めました。
正直、扶余市内は韓国の田舎町らしく、人の気配があまりなくて寂しい雰囲気でしたが、この店だけは別。
開店からあれよあれよという間に満席になりました。中には誕生パーティーで家族一同が集まる団体さんも。信頼と人気の高さがうかがえます。
「韓国一の韓牛焼き肉なんだから!」と、奮発して追加でロースや子どもが大好きな떡갈비(韓国式のハンバーグ)、日本では食べられない육회(ユッケ)などもオーダーしましたが、子どもの箸がいまいち進みません。
訳を聞いてみたところ、「ソウルの마장동(馬場洞)で食べた韓牛焼き肉のほうがおいしかった」と……。
両親の頑張りを無視して、ソウルの方がおいしいとは……。熟成させたが故、お肉に弾力が生まれ、それが子どもにとっては固く感じてしまったよう。
大人としてはこれはこれで美味でしたが、少し残念な結果となってしまいました。
店舗情報
旅のお楽しみ、サービスエリアにも寄ってみよう
日本のサービスエリアは世界一ともいわれますが、韓国の휴게소(休憩所、サービスエリア)もなかなかの面白さ。豪華さこそ劣りますが、メニューのおいしさはやはりピカイチ!
韓国ならではの甘辛い料理や素朴なジャガイモ揚げ、おでんなど、目移りしてしまうバラエティーの豊富さ。高速バスの旅でも休憩所に寄るので、気になる方はぜひ高速バスで近郊旅行に出掛けてみて。
この記事の執筆者鈴木ちひろ ライター
【 すずきちひろ 】
日本の出版社でインテリア雑誌の編集者を務めたのち、2013年から韓国での暮らしを始める。日本の雑誌などに韓国のショップやライフスタイルを中心に取材・執筆。韓国人俳優のインタビューも行う。著書に『歩いてまわる小さなソウル』(大和書房)、『行った気になれる! 妄想 韓国ドラマ旅』(主婦の友社)。