韓国の1990年代はバラードの全盛期でもありました。
フォークやロックの全盛期1970、80年代にも韓国でバラード曲は人気がありました。しかし音楽産業が拡大していった1990年代に、ダンスミュージックが10代20代を中心に全盛期を迎えると、それに対抗するかのようにバラードの名曲も続々生まれるようになりました。
今回からは、1990年代に韓国人の心をわしづかみにしたバラードの名曲を紹介していきたいと思います。
韓国のバラード歌手の中でダントツの存在感
韓国ではバラードが、ロック、フォーク、R&B、ヒップホップなどと並ぶ1つのジャンルとして定着しています。
1990年代にバラードの名曲が数多く作られ、バラード曲を主に歌う「バラード歌手」と呼ばれる人たちが生まれました。
その中で、特に実力と人気が認められれば「バラードの皇帝」「バラードの女王」「バラードの皇太子」「バラードの王子」「バラードの貴公子」などの称号が与えられるようにもなりました。
そうした歌手の中でもダントツの存在感を示しているのが、신승훈(シン・スンフン)です。
デビューアルバムでいきなりミリオン
シン・スンフンは1990年デビュー。デビューアルバムから「미소 속에 비친 그대(微笑みに映った君)」が大ヒットし、いきなりミリオンセラーを記録します。
続いて翌年のセカンドアルバムからは「보이지 않는 사랑 (見えない愛)」が大ヒット!
1994年の4集からは「그 후로 오랫동안(その後しばらくの間)」がまた大ヒット!
1996年の5集からは「나보다 조금 더 높은 곳에 니가 있을 뿐(僕より少し高い所に君がいるだけ)」がまたまた大ヒット!
1990年代はシン・スンフンの時代でもあった
これらの曲は、テレビの歌番組においても、当時歌謡界を席巻したダンスグループたちのヒット曲と互角、いやそれ以上の人気を得ました。
また、1990年代に発表した1集から6集、さらには2000年に発売した7集まで、正規アルバムすべてがミリオンセラーになるという、とてつもない販売記録を打ち立てました。
1990年代はシン・スンフンの時代であったとも言えます。
シン・スンフンの曲にはもちろんアップテンポの曲もあり、アルバムにも彼の多彩な魅力が感じられる曲が収められていますが、代表曲はすべてバラード曲。バラードに特別なこだわりを持って、韓国人特有の「한(恨)」の情緒に訴える歌詞やメロディーを披露しています。
「발라드의 황제(バラードの皇帝)」と呼ばれることがありますが、まさに彼は「韓国バラード」の王道を歩き続けている歌手だと言えます。
関連記事が掲載されている書籍
価格:1518円(本体1380円+税10%)