韓国の地方にはおいしいものが山ほどある。そして、その大半はそこへ行かなければ食べられないものばかり。となると、その食体験は、地方への理解にも直結するはず。
今回は、韓国という国をもっと深く知るために、7つの町の名物を紹介する。
記事の目次
飲食店に関する情報収集は必須!
地方に出ておいしいものを食べるには、とにかく地元情報が欠かせない。
例えば、市場などは情報の宝庫。「지금 뭐가 철이에요?(今は何が旬ですか)」といった質問を投げ掛ければ、その時、その地方で何を食べるべきかが明確になる。
また、タクシーの運転手なども情報通が多い。僕の場合は事前にリサーチした飲食店の名前を出して、地元民としての反応を確認する。
「어느 집이 맛있어요?(どの店がおいしいですか?)」「가장 유명한 집이 어디예요?(一番有名な店はどこですか?)」「개인적으로는 어느 집으로 가세요?(個人的にはどの店に行きますか?)」など、いろいろな角度から情報を引き出す努力をしたい。
もちろん飲食店に入っても質問攻めは必須! 情報を集めれば集めるほど幸せな食体験につながるので、勇気を持って話し掛けてみよう。
1つ注意事項として、お店の営業時間や定休日は直前に確認することを推奨する。店の都合でコロコロ変わることも多い。
扶安 ~遠出の価値ある美食の宝庫〜
전라북도(全羅北道)に属する부안(扶安)へは、外国人観光客が訪れるには結構な苦労だが、それでも韓国でおいしいものを食べるなら積極的に地方を訪ねるべき、という好例として紹介する。
済州 ~四季折々の食材に出合う島〜
地方を旅する上で、意識するとより楽しくなるのが食材の旬。カレンダーを眺めて、ちょうどあの食材が旬を迎えるから、あそこに行こう、と思えるようになれば、地方旅行の楽しさもぐんとアップすること間違いなし。
安東 ~歴史ある町の郷土料理〜
안동(安東)は民俗村の하회마을(河回村)が有名で、16世紀に村を開いた풍상 류씨(豊山柳氏)の子孫が今もこの地で生活している。そんな河回村の村長さんにおすすめのお店に行ってみた。
全州 ~美食の町のローカルフード〜
전주(全州)といえば、韓国でも食の豊かな町として名高く、비빔밥(ビビンバ)や콩나물국밥(豆モヤシのクッパ)、한정식(韓定食)といった料理は観光客にも有名。名物料理が多い全州だが、全州出身者が食べたくなる地元グルメに迫る。
仁川 ~地下鉄で行ける地方グルメ旅〜
서울(ソウル)から地下鉄1号線に乗り、西へ向って인천(仁川)に行く。韓国最大の中華街で짜장면(韓国式のジャージャー麺)を食べてもよいが、今回は港町ならではの仁川グルメを紹介する。
東海 ~希少な郷土料理の話〜
西海岸の話をしたら、東海岸の話をしないわけにはいかない。西と東の漁港を見て回ると、並んでいる魚介もだいぶ変わる。地域ごとの名産を比べるのも、旅の楽しさだ。
大田 ~老舗ベーカリーブーム到来〜
わざわざ韓国の地方まで出掛けていって、パンを食べたい、という気持ちを理解できない人は多いかもしれない。それでも、パンをすすめてしまうのは、今の韓国に地方の老舗ベーカリーブームが来ているというのが1つの理由。はやりという点でまず注目したい。
地方旅は韓国語上達の早道
初対面の人に「고향이 어디세요?(ご出身はどちらですか?)」と尋ねてみてほしい。よほど故郷に嫌な思い出でもない限り、たいていの人は喜んでその土地について語ってくれる。
まして自分がその地域を旅したことがあったとしたら、そこからの会話は大変盛り上がる。心の距離がぐっと縮まれば、会話も弾むし、話題にも事欠かない。
ここでは7つの町を取り上げたが、韓国には他にもたくさんのおいしいものがある。もちろん食以外をテーマとした地方旅行でもよい。
大事なのは旅を通じて人と出会うことと、地域ごとの特色を知ること。韓国への理解も深まるし、体験を通じて語学の勉強にもなるのでおすすめだ。
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