韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、4月27日から5月10日までの出来事から、以下の3つのニュースをご紹介します。
韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!
交通費がお得な「K-パス」始まる
通勤や通学などで使う電車やバス。ソウルの場合、昨年は地下鉄もバスも値上がりし、日々の交通費が気になります。
そこで5月1日から始まったのが、月に15回以上公共交通を利用すれば、利用額の20~53%がポイントで환급(還元)されるK-패스(K-パス)。
地下鉄や市内バス、広域バスなどが対象で、タクシーやKTXは対象外です。還元率は、一般が20%、満19〜34歳が30%、低所得者層が53%となっています。
財源は、국토교통부(国土交通部)と各自治体が1:1の割合で負担し、韓国に住んでいる外国人も申し込み可能です。
また、K-パスに先行して1月に始まったのが、ソウル市の기후동행카드(気候同行カード)。
地球環境を考えて公共交通機関の利用を促進するのが目的で、こちらは月額65,000ウォンでソウル市内の地下鉄やバス、公共自転車の利用が無制限で利用可能。
気候同行カードは外国人観光客用も計画されているようで、観光の利便性が高まることが期待されます。
BTSも行ったし……兵役特例がなくなる?
韓国の男性に課されている兵役。現役で陸軍だと18カ月服務することになります。
BTSのメンバーも全員が入隊しましたが、入隊に当たって持ち上がったのが、병역 특례(兵役特例)問題です。
兵役特例は、「国の威光を広く知らしめたり、文化の発展に寄与した芸術・スポーツ特技者に対して、軍に服務する代わりに、芸術・スポーツ要員として服務させる制度」で、1973年にできました。
この対象となるスポーツ大会やコンクールは事あるごとに変わってきましたが、大衆文化部門には設定がなく、公平性の点からもおかしいのではとの声が上がっていました。
5月3日、兵役を担当する병무청(兵務庁)長が、芸術・スポーツ分野の兵役の特例について、制度ができた当時と現在では大きな環境の変化があったとして、全面的に再検討すると表明しました。
今後兵役特例がなくなる可能性が高そうです。
報道自由度、韓国は62位。前年から大幅に下がる
5月3日、「国境なき記者団」が2024年の世界報道自由度ランキングを発表しました。その中で、韓国は62位と、昨年の47位から大きく順位を下げました。
韓国についての記述では、政権が公共放送に関わる人事に影響力があり、報道の独立性が脅かされる可能性があることが指摘されました。
昨年、公共放送であるKBSの社長の座に、保守メディア出身で尹錫悦大統領に近い人物が就きました。すると、ここ数年の報道は偏向していたと国民に謝罪し、政権に批判的なラジオ番組の司会者を降板させたり、時事番組を削ったりしました。
このような報道の自由をゆがめる動きは、KBSにとどまらず、現在進行形で起きており、今後も懸念されます。
韓さんのニュース+α「ソウルの公共自転車を何と呼ぶ?」
冒頭で紹介したお得な交通カードのニュース。ソウルの気候同行カードはソウル市内の公共交通機関に加え、公共自転車の利用にも使用可能です。この公共自転車のことを韓国語で何と言うでしょうか? ヒントは、自転車のベルの音です。
韓国の童謡に「따르릉 따르릉 비켜 나세요(リンリン リンリン どいてください)」で始まる自転車の歌があります。リンリンという音に、人や物の意を付加する「이」を加えた따릉이。残念ながら電動アシストは付いていませんが、漢江の川べりを走ると気持ちよさそうです。
今回紹介した3つのニュース、いかがでしたでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。