さっと5分で韓国ニュースをチェック！ ニュースダイジェスト（2025年2月21日～3月6日）

韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、2月21日から3月6日までの出来事から、以下の三つのニュースをご紹介します。

韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください！

出生率が9年ぶりに上昇、0.75に

1番目にピックアップするのは、昨年の韓国の합계출산율(ハプケチュルサンニュル)（合計特殊出生率）が9年ぶりに上昇したというニュースです。

合計特殊出生率は1人の女性が産む子どもの数の指標で、韓国では2015年の1.24から23年の0.72まで下がり続けましたが、今回0.75とわずかながら上がりました。日本は23年の時点で1.20です。

出生率が上がった要因の一つとされているのが、第2次ベビーブーマー世代（1964〜74年生まれ）の子どもたちが30代に入り、結婚・出産を迎える時期であることです。

次に挙げられるのが、コロナ禍で結婚を延期した影響が解消されてきていることです。コロナ禍で大きく減った婚姻件数は、2023年にプラス1.0%、24年は14.9％増えました。

三つ目が、国や自治体などが出産や子育て支援に乗り出していることです。

出産に関しては、国から1人目に対し200万ウォン（約20万5千円）の첫만남이용권(チョンマンナミヨンクォン)（初の出会い利用券）のバウチャーが支給され、各自治体からも独自に数十万ウォン（数万円）から数千万ウォン（数百万円）が支給されます。そのほかにも、子ども1人当たり毎月10万ウォンが支給される아동수당(アドンスダン)（児童手当）や、育児休暇の際に給与の80％を受け取れる육아휴직급여(ユガヒュジククビョ)（育児休暇給付）など制度が充実し始めたことも後押ししています。

しかし、出生率が少し上昇したからと喜んでばかりはいられません。2072年には人口が3000万人ほどと現在の4割減になり、65歳以上の人口が占める割合も約半数の47.7％に達すると予測されており、移民の受け入れをはじめとして他の政策も急ピッチで進められています。

2036年オリンピック、韓国の誘致申請自治体は全羅北道に

2036年の夏季オリンピック誘致に乗り出す韓国。誘致に成功すれば、1988年の서울올림픽(ソウロリンピク)（ソウルオリンピック）以来、48年ぶりの国内でのオリンピック開催となります。

その韓国の誘致都市に名乗りを上げ競ったのがソウル市と전라북도(チョルラプクト)（全羅北道）です。

国際的な知名度から考えてもソウル市が有利だと考えられていました。しかし、2月28日に開かれた大韓体育会代議員総会の「2036オリンピック誘致国内候補地選定投票」で勝ったのは全羅北道で、全投票数61票のうちの49票を獲得する圧勝でした。

全羅北道が競技によって開催を隣接する경상북도(キョンサンプクト)（慶尚北道）や충청남도(チュンチョンナムト)（忠清南道）などの自治体と協力して行う「非首都圏連帯」を掲げたことが評価されたそうです。

2036年の夏季オリンピック誘致にすでに名乗りを上げているのはインドのニューデリーとアフマダバード、インドネシアの新首都ヌサンタラ、トルコのイスタンブールなどで、激しい誘致合戦が予想されます。

ちなみに、28年は米国のロサンゼルス、32年はオーストラリアのブリスベンでの開催が予定されています。

韓国軍戦闘機が民家に爆弾を誤投下、15人が重軽傷

3月6日午前10時5分ごろ、경기도(キョンギド)（京畿道）포천(ボチョン)（抱川）市で、韓米合同訓練に参加していたKF-16戦闘機2機がそれぞれ爆弾（Mk82）4発計8発を民家に誤投下する事故が発生しました。これにより、2人が重症、13人が軽症を負ったほか、住宅5棟や教会が崩れるなどの財産被害も起きました。

2004年にも韓国空軍の戦闘機が練習用の爆弾を誤投下する事故がありましたが、そのときは幸い人命被害はなく、今回は未曾有の事故だったと韓国メディアは伝えています。Mk82は227キログラムの爆弾で1発の殺傷範囲はサッカー場の広さに及ぶそうです。イスラエルによるガザ攻撃の際にも、米国から供与を受けたこの爆弾が使われていました。

韓国空軍は今回の事故について、操縦士が座標入力を誤ったため、訓練場内の標的から8km離れた集落に落ちたと発表しました。座標入力は事前に行われますが、空中では8kmの距離は1mmの違いにすぎず、肉眼での識別が難しかったと説明されています。

これに対し、韓国メディアでは、「나사가 빠졌다(ナサガ パジョッタ)（ネジが外れた」）「기강 해이(キガン ヘイ)（綱紀のたるみ）」と批判しています。

韓さんのニュース＋α「『トルコ』を韓国語でどう表記？」

2番目に取り上げたニュースに関するクイズです。2036年の夏季オリンピック誘致に乗り出している都市の一つにトルコのイスタンブールがありますが、「トルコ」は韓国語でどう表記するでしょうか？

今回紹介したニュース、いかがだったでしょうか？ 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。

この記事の執筆者

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韓興鉄 翻訳・編集業

한흥철（ハン・フンチョル）

横浜で生まれ、1980年代を主にソウルで過ごし、横浜へ。2002年の『韓国語ジャーナル』（アルク）創刊号から『韓国語学習ジャーナルhana』最新号まで、毎号、ニュースや社会関連の記事を担当。社会が変化していく様を追うのが好きです。

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