韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、12月20日から1月9日までの出来事から、以下の三つのニュースをご紹介します。
韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!
チェジュ航空旅客機が務安空港で着陸に失敗、179人死亡
12月29日、제주항공(チェジュ航空)2216便が전라남도(全羅南道)の무안(務安)国際空港で胴体着陸後にオーバーランして담장(塀)に衝突、179人が死亡する大惨事が起きました。
事故機には、タイ国籍の2人を含む乗客175人、乗員6人が搭乗しており、最後尾にいた乗員2人だけが助かりました。
事故の詳細な原因が明らかになるのはまだ先ですが、現時点では、事故機が조류 충돌(バードストライク)後に緊急的な不具合を起こし、랜딩기어(ランディングギア)が下りない状態で동체착륙(胴体着陸)を行い、速度を落とせないまま、滑走路の先の構造物に衝突し炎上したとされています。
윤석열(尹錫悦)大統領による戒厳騒動によって社会の雰囲気がざわついている中で起きた大惨事。1月4日まで国家哀悼期間に指定され、年越しイベントの多くが中止、または縮小となりました。
65歳以上人口が韓国の総人口の20%に
행정안전부(行政安全部)によると、12月23日、65歳以上の住民登録人口は1024万4550人で、韓国の総人口5122万人の20%に達しました。
韓国では、65歳以上の人口の割合が20%を超えると「초고령사회(超高齢社会)」であるとしています(WHO〈世界保健機関〉の定義では21%以上)。
2007年に「超高齢社会」を迎えた「先輩」である日本の65歳以上人口は、9月15日時点で29.3%と、OECD(経済協力開発機構)諸国の中で最も高い割合になっています。韓国の65歳以上の人口の割合はOECD諸国の中ではまだ高い方ではないのですが、憂慮されているのは、その割合が急増していることです。
韓国の65歳以上の人口の割合が「고령화사회(高齢化社会)」の目安である7%から、「고령사회(高齢社会)」の14%を経て、「超高齢社会」の20%に達するまでにかかった年数は24年。日本の35年と比べても急なことが分かります。これは、働く世代が高齢者を扶養する負担が24年間で約3倍に増えたことになります。
10年後には65歳以上の人口の割合が30%を超えると予測されており、それに伴う社会福祉支出の割合がGDP比28%になるという試算もあります。こうした事態に、財源を含めてどう備えるかが韓国の喫緊の課題になっています。
旧正月連休前の1月27日が臨時休日に
韓国の二大年中行事といえば설날(旧正月)と추석(秋夕)。前者は음력(旧暦)の1月1日、後者は旧暦の8月15日で、共に前後1日ずつを合わせて3連休になります。うまく土日とつながれば5連休にもなります。
かつては旧正月や秋夕に帰省して家族が集まり、お供えの食べ物を作って차례(略式の祭祀)を執り行って過ごすことが一般的でしたが、今では早めに切り上げて観光や旅行に当てることも多くなりました。
今年の旧正月は、1月29日(水)です。28日(火)と30日(木)を本来は合わせて3連休でしたが、政府と与党「국민의힘(国民の力)」は、27日(月)を臨時休日にすることに合意しました。「戒厳騒動」によって落ち込んだ内需や観光の活性化を図るのが狙いです。
これにより土日を含めると6連休となりますが、さらに31日(金)に休みを取れば9連休にすることも可能で、旅行業界はウォン安や航空機事故で落ち込んだ旅行需要が高まることを期待しています。
韓さんのニュース+α「今年の秋夕は何連休?」
3番目に取り上げたニュースに関するクイズです。今年の秋夕は、10月6日(月)です。さて、何連休になるでしょうか?
今年の秋夕は10月6日月曜日で、前の5日が日曜日、後ろの7日が火曜日です。そして5日が日曜日であるため、8日の水曜日が振替休日となります。4日は土曜日で休み。さらに3日の金曜日は「개천절(建国記念日)」、9日木曜日は「한글날(ハングルの日)」でいずれも休みです。これらを全て合わせると、3日から9日までの7連休になります。
今回紹介したニュース、いかがだったでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。