韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、7月5日か19日までの出来事から、以下の3つのニュースをご紹介します。
韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!
来年度最低賃金1.7%増の1万30ウォンに
7月12日、韓国の최저임금위원회(最低賃金委員会)は、2025年度の最低賃金が1万30ウォン(1135円)に決まったと発表しました。
1万ウォンの大台に乗りましたが、昨年に比べると物価上昇率に及ばない1.7%増にすぎず、実質的にはマイナスといえそうです。
韓国の最低賃金は、「소득주도성장(所得主導成長)」を打ち出した문재인(文在寅)政権下で大幅に上がりました。特に、政権発足当初の2018年と19年には、前年比でそれぞれ16.4%と10.9%、2年間で金額にして1870ウォン(211円)引き上げられました。
しかし、その後は経営者側からの反発があり、数%台で推移しています。
ちなみに、韓国の「근로기준법(勤労基準法)」には「주휴수당(週休手当)」が定められており、使用者は労働者に対し、1週間に1日以上の有給休日を保障しなければなりません(ただし1週間に15時間以上勤務した場合)。
1週間のうち5日勤務した場合、1日は有給休暇、1日が無給休暇となり、6日分の給与が支給されるので、実質の最低賃金は1万2036ウォン(1362円)になる計算です。
サッカー代表監督に洪明甫。サッカー協会に対する反発も
2026年にカナダ・メキシコ・米国で開催されるサッカーW杯。その出場を懸けたアジア最終予選が間もなく始まりますが、7月7日、大韓サッカー協会は韓国代表チーム監督にKリーグの울산현대(蔚山現代)の홍명보(洪明甫)監督を内定したと発表しました。
2月に前任の위르겐 클린스만(ユルゲン・クリンスマン)監督が韓国代表監督を解任され、後任者候補には海外の指揮官の名前が何度か上がりましたが、最終的に韓国人監督が選ばれることになりました。
Jリーグでも活躍した洪明甫は、国家代表選手として4度のW杯に出場したレジェンド的な存在ですが、代表監督として臨んだ2014年のブラジルW杯では、1勝も上げることができず、グループリーグで敗退しました。
かつての代表選手たちからも、大韓サッカー協会の代表監督の選考過程が不透明であるとして反発する声も上がっています。
トロット歌手ヒョンチョル亡くなる。初の「大韓民国歌手葬」
韓国を代表するトロット歌手の一人、현철(ヒョンチョル)が7月5日、持病により亡くなりました。享年82歳でした。
1960年代の後半から音楽活動を始めたヒョンチョルでしたが、その名が広く知られるようになったのは80年代に入ってからです。
83年に「사랑은 나비인가봐(恋はチョウみたい)」がヒットし、88年の「봉선화 연정(鳳仙花恋情)」は翌年のKBS歌謡大賞を受賞しました。송대관(ソン・デグァン)、태진아(テ・ジナ)、설운도(ソル・ウンド)と共に「트로트 4대 천왕(トロット四天王)」と呼ばれました。
葬儀は、初めて多くの芸能協会が共催する「대한민국가수장(大韓民国歌手葬)」として行われました。
韓さんのニュース+α「국대は何の略?」
2番目に取り上げたニュースに関するクイズです。「국대」は「국가 대표(国家代表)」を縮めたものですが、「국룰」はどういう意味でしょうか?
국(国)と룰(ルール)で、「国民の誰もが知っているルール」という意味で使われるそうです。네이버(ネイバー)の国語クイズには「솔직히 순댓국엔 깍두기가 국룰이지. (正直、スンデスープにはカクテギが常識だよ。)」という例文が載っていました。
今回紹介した3つのニュース、いかがだったでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。