教保文庫の2月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。先月ご紹介した、박완서(朴婉緒)のエッセイ集『사랑을 무게로 안 느끼게(愛を重みとして感じないように)』が4位にランクインしました。注目の新刊では、昆虫の世界から人間の生を見つめるという、興味深い内容の書籍を取り上げました。
※ランキング記事ではハングルのルビを省略します。
記事の目次
- 教保文庫ベストセラー月間ベスト10(韓国のエッセイ)
- 1位:『나는 메트로폴리탄 미술관의 경비원입니다(私はメトロポリタン美術館の警備員です)』
- 2位:『보편의 단어(普遍の単語)』
- 3位:『내가 한 말을 내가 오해하지 않기로 함(僕が言った言葉を僕が誤解しないようにすること)』
- 4位:『사랑을 무게로 안 느끼게(愛を重みとして感じないように)』
- 5位:『푸바오, 언제나 사랑해(フーバオ、いつも大好きだよ)』
- 6位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』
- 7位:『인생은 순간이다(人生は瞬間だ)』
- 8位:『당신은 결국 무엇이든 해내는 사람(君は結局何でもやり遂げる人)』(10万部記念特別リカバーエディション)
- 9位:『모든 것은 기본에서 시작한다(全てのことは基本から始まる)』
- 10位:『우리가 작별 인사를 할 때마다(私たちが別れのあいさつをするたびに)』
- 注目の新刊
教保文庫ベストセラー月間ベスト10(韓国のエッセイ)
1位:『나는 메트로폴리탄 미술관의 경비원입니다(私はメトロポリタン美術館の警備員です)』
패트릭 브링리(パトリック・ブリングリー)著、김희정(キム・ヒジョン)・조현주(チョ・ヒョンジュ)訳/웅진지식하우스(ウンジン知識ハウス)/2023.11.24
2位:『보편의 단어(普遍の単語)』
이기주(イ・ギジュ)著/말글터(マルグルト)/2024.01.11
3位:『내가 한 말을 내가 오해하지 않기로 함(僕が言った言葉を僕が誤解しないようにすること)』
문상훈(ムン・サンフン)著/위너스북(ウィナーズブック)/2024.01.05
4位:『사랑을 무게로 안 느끼게(愛を重みとして感じないように)』
박완서(朴婉緒)著/세계사(世界社)/2024.01.22
5位:『푸바오, 언제나 사랑해(フーバオ、いつも大好きだよ)』
에버랜드 동물원(エバーランド動物園)文・写真/시공주니어(シゴンジュニア)/2024.01.15
6位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』
김수현(キム・スヒョン)著/하이스트(ハイスト)/2022.11.25
7位:『인생은 순간이다(人生は瞬間だ)』
김성근(キム・ソングン)著/다산북스(タサンブックス)/2023.11.15
8位:『당신은 결국 무엇이든 해내는 사람(君は結局何でもやり遂げる人)』(10万部記念特別リカバーエディション)
김상현(キム・サンヒョン)著/필름(Feelm)/2022.04.20
9位:『모든 것은 기본에서 시작한다(全てのことは基本から始まる)』
손웅정(ソン・ウンジョン)著/수오서재(守吾書斎)/2021.10.15
10位:『우리가 작별 인사를 할 때마다(私たちが別れのあいさつをするたびに)』
마거릿 렌클(マーガレット・レンクル)著/을유문화사(ウルユ文学社)/2023.12.25
著者は、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストです。テネシー州ナッシュビルの自然の中で過ごした日々を回想したエッセイで、病に伏せた家族の看病で疲れ切ってしまった彼女が、野生動物たちを眺めながら「今を生きる大切さ」や人生の知恵を得る姿が印象的です。各チャプターが4ページ以内と短く、それぞれに「桃」「スイレン」「雷雨」「うさぎ」などのタイトルがつけられています。
注目の新刊
『눈물꽃 소년(涙の花の少年)』
박노해(パク・ノヘ)著/느린걸음(ヌリンコルム)/2024.02.22
詩人である著者が国民学校(小学校)を卒業するまでの、幼い頃の話がつづられた自伝エッセイです。両親や祖母とのエピソード、自作の詩を初めて人に見せた日、夢について考えたこと……。数々の思い出に触れるうちに、読者自身も幼い頃の感情を思い出すでしょう。33編の文章と共に、著者が鉛筆で描いた絵が載せられています。邦訳書として詩集『いまは輝かなくとも』(康宗憲、福井祐二訳/影書房)が出版されています。
『최재천의 곤충사회(チェ・ジェチョンの昆虫の社会)』
최재천(チェジェチョン)著/열림원(ヨルリムウォン)/2024.02.13
生態学者であり、動物行動学者、社会生物学者でもある著者による、「2ミリの小さくて美しい昆虫の社会の驚異から出発する、ホモサピエンスの奇異な行動」を綴ったエッセイです。1部では若かりし頃の著者が「ホモサピエンスという動物」としての人間を研究するに至った経緯、2部では人間と違うようで似ている昆虫の世界、3部では「昆虫が消えつつある」今、私たちに与えられた唯一の選択肢である「生態的転換」について語ります。気候変動が進行し、生物多様性が失われつつある中で、「人間はこの地球であとどれぐらい生き延びることができるだろうか」という問いを投げ掛けながら、昆虫の社会をはじめとした自然の生態系から多くのことを学びます。
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