いつかは読んでみたいのが、韓国語の原書。
韓国語の原書に挑戦する際に文芸書と実用書のどちらが読みやすいかですが、実用書は、分かりやすい説明、表現を心掛けているものが多く、類推しやすい漢字語語彙が多かったりもするので、一般的に難易度は低くなります。
でもせっかくなら、韓国の名作文学を読んでみたい、同じ時代の韓国の文学作品を読んでみたい!とういう人もいるかと思います。この記事では、そういう人におすすめの本について見てみたいと思います。
記事の目次
韓国文学を楽しむ!文学賞受賞作品から選ぶ
文芸書は、小説などストーリーのあるものが多いですが、言葉の芸術という面もあり、時に理解しづらい語彙や表現が使われる場合もあります。
作品の世界観も大事ですが、平易な言葉や表現が用いられているか確かめてから選んだ方がいいでしょう。
文学作品を選ぶ際は、文学賞を受賞した作品・作家から選ぶのも一つの手です。伝統ある文学賞を挙げてみます。
이상문학상(李箱文学賞)
天才詩人と呼ばれた이상(李箱)の功績をたたえて문학사상(文学思想)社が創設。前年に文芸誌および各雑誌で発表された短・中編の純文学小説から選考。
동인문학상(東仁文学賞)
東仁文学賞は김동인(金東仁)の文学業績をたたえ、1955年사상계(思想界)社によって創設。主要雑誌に発表された短・中編小説の中から1編が選定されます。発表の場である雑誌『思想界』が1967年に廃刊し12年もの空白がありましたが、現在は조선일보(朝鮮日報)社が運営を引き継ぎ復活しました。
현대문학상(現代文学賞)
月刊誌『현대문학(現代文学)』が主催。詩、小説、戯曲、評論の4部門に賞が贈られます。第1回は1956年に行われました。この賞で有名になった作家に、小説家조정래(趙廷来)がいます。
韓国文学を楽しむ!日本語訳のある作品を読む
『82년생 김지영』の日本語版『82年生まれ、キム・ジヨン』のヒットに続いて。日本でも韓国の現代文学が多く翻訳出版されるようになりました。作品を通じて、韓国の人たちの生活や感情を細やかに読み取ることができるので、韓国語の学習以上に得られるものが多いはずです。
出版社クオンの「新しい韓国の文学」シリーズでは、韓国の現代作家の作品を次々と翻訳出版しています。また「韓国文学ショートショート」シリーズでは、短編作品を韓日それぞれの言語で掲載してあります(本の左半分が韓国語のオリジナル、右半分が日本語翻訳になっています)。
まず日本語で読んでから、韓国語のオリジナルに挑戦してみるのはいかがでしょうか?
日本の作家の韓国語翻訳版
また、日本語で読んだことのある作品を読むのも有効です。村上春樹、江國香織、浅田次郎などはもちろん、東野圭吾、恩田陸などの流行作家の作品は韓国で人気なので、容易に入手できます。
また、海外文学の韓国語版も実はおすすめ。翻訳ということもあって、何回な言い回しや表現が少ない傾向にあり読みやすいといえます。特に、日本語で読んだことがある海外の作品を韓国語で読んでみることをおすすめします。
韓国の出版社を知っておく
本を探すに当たっては、主要な出版社を知っておくと役に立ちます。
全てをカバーできませんが、例を挙げるなら、文芸書は문학동네(文学トンネ)、문학사상(文学思想)、민음사(民音社)、문학과지성(文学と知性)、 현대문학(現代文学)。
児童書は창비(創批)や사계절출판사(四季節出版社)、絵本は보림출판사(ポリム出版社)。
教養系の実用書は김영사、푸른숲、다산북스(茶山ブックス)などが有名どころです。
文庫本は범우사(汎友社)が多く出しています。
この記事が掲載されている書籍
「韓国語の本を楽しむ」
定価:1518円(本体1380円+税10%)