教保文庫の2024年11月の月間ベスト10と注目の新刊情報（韓国小説）をご紹介します。11月も한강（ハン・ガン）の勢いは止まらずランキングの上位を独占しました。注目の新刊では近年活躍が目覚ましい新世代SF作家の一人천선란（チョン・ソンラン）の新作と、海外で評価の高いベテラン作家배수아（ペ・スア）による長編小説を取り上げています。
※ランキング記事ではハングルのルビを省略します。
記事の目次
教保文庫ベストセラー月間ベスト10（韓国の小説）
1位：『소년이 온다（少年が来る）』
한강（ハン・ガン）著／창비（チャンビ）／2014.5.19
한강
2位：『채식주의자（菜食主義者）』
한강（ハン・ガン）著／창비（チャンビ）／2022.3.28
한강
3位：『작별하지 않는다（別れを告げない）』
한강（ハン・ガン）著／문학동네（文学トンネ）／2021.9.9
한강
4位：『흰（すべての、白いものたちの）』
한강（ハン・ガン）著／문학동네（文学トンネ）／2018.4.25
한강
5位：『희랍어 시간（ギリシャ語の時間）』
한강（ハン・ガン）著／문학동네（文学トンネ）／2011.11.10
한강
6位：『모순（矛盾）』（ハードカバー）
양귀자（梁貴子）著／쓰다（スダ）／2013.4.1
양귀자
7位：『디 에센셜: 한강（ジ・エッセンシャル：ハン・ガン）』
한강（ハン・ガン）著／문학동네（文学トンネ）／2023.6.1
한강
8位：『급류（急流）』
정대건（チョン・デゴン）著／민음사（民音社）／2022.12.22
정대건
9位：『여수의 사랑（麗水の愛）』
한강（ハン・ガン）著／문학과지성사（文学と知性社）／2018.11.9
한강
10位：『검은 사슴（黒い鹿）』
한강（ハン・ガン）著／문학동네（文学トンネ）／2017.12.20
한강
都会で白昼、裸のまま道路に飛び出した女が姿を消した。彼女を知る男女はそれぞれの手がかりを元に彼女を探し始める。デビュー後3年間執筆に没頭して完成させたハン・ガン初の長編小説です。
注目の新刊
『모우어（モウオ）』
천선란（チョン・ソンラン）著／문학동네（文学トンネ）／2024.11.15
천선란
韓国新世代SF作家として話題の一人であり『千個の青』（カン・バンファ訳／早川書房）が邦訳刊行されているチョン・ソンランの新作小説集です。凍り付いてしまった世界を描く「얼지 않는 호수（凍らない湖）」や、言葉が消えた世界を描いた表題作「モウオ」など、消えた存在を救おうと奮闘する人たちを描いた短編が8編収められています。
『속삭임 우묵한 정원（ささやき 窪んだ庭）』
배수아（ペ・スア）著／은행나무（銀杏ナム）／2024.7.23
배수아
『遠きにありて、ウルは遅れるだろう』（斎藤真理子訳／白水社）の著者による5年ぶりの新作長編小説です。ある日、主人公の元に届いた1通の手紙。差出人はMJ。手紙を手にした主人公は、手紙を読む前から旅行かばんを手に旅支度を始める。よみがえるMJの記憶と当時の光景の数々。1通の手紙から始まった過去をたどる旅路でよみがえる記憶と、過去を回想しながら聞こえてくる正体不明の「ささやき」から、主人公は自分が知り得なかった過去を見つけていきます。
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