こんにちは。韓国語講師の清水碧(しみずみどり)です。
친구들(友人たち)と言うように、日本語の「たち」と使い方がよく似ている들ですが、実は「たち」と異なる点も多いため注意が必要です。
今日は들と「たち」の共通点を確認した後に、「たち」と訳されない3つの用法を見ていきます。
1. 「たち」と同じ-들
人など生き物を表す名詞に付いて、複数であることを表すのが-들の最も一般的な用法です。例を見てみましょう。
この用法は日本語の「たち」と基本的に同じであるため、分かりやすいですね。
2. 生き物以外にも付く-들
-들は生き物を表す名詞に付きやすいですが、生き物以外の名詞にも付く点が日本語の「たち」と異なります。例を見てみましょう。
生き物以外の名詞に付く場合、上に挙げた책(本)や가방(かばん)のような具体的なものを表す名詞に付くことが多いですが、他にも사건들(〈複数の〉事件)、추억들(〈複数の〉思い出)、시간들(時間〈の集まり〉)のようにさまざまな名詞に付きます。
3. 異なるものが混ざった集団には使えない-들
-들と「たち」の用法で注意しなければならないのが、日本語の「たち」が異なるものが混ざった集団にも使えるのに対して、-들は同じ種類のものが複数ある場合にのみ使えるという点です。
具体的に次のような状況を想定して考えてみましょう。
友達のご両親とも親しく、直接連絡を取る仲だとします。ご両親のうちのお母さんと久しぶりに連絡を取って、お二人とも元気にされていたか聞く場面で、日本語の「たち」と同じ感覚でつい어머니들도 잘 지내셨어요?(お母さんたちも元気にされていましたか?)と言ってしまいそうになります。
しかし、韓国語で어머니들というのは어머니(お母さん)が複数であることを表します。つまり、어머니(お母さん)の集団しか指すことができません。
어머니(お母さん)と아버지(お父さん)の組み合わせに対して어머니들とは言えないのです。
従ってこのような場合は、어머니와 아버지도 잘 지내셨어요?(お母さんとお父さんも元気にされていましたか?)のように、-들を用いない言い方にする必要があります。
4. 文の主語が複数であることを表す~들
ここまで見てきた-들は-들が付いた名詞そのものが複数であることを表す用法でしたが、以下のA~Cは~들が付いた要素そのものではなく、その文の主語が複数であることを表します。
文法的には、1~3の-들は「接尾辞」と呼ばれるのに対し、4のこれらの~들は「補助詞」と呼ばれる助詞の用法になります。
この~들は(A)の많이(たくさん)のような副詞、(B)の보고(見て)のような接続語尾の他にもさまざまな要素に付きます。また(C)は식사(食事)という名詞に付いているため、一見2で扱った生き物以外の名詞に付く-들のように思えますが、식사自体が複数あることではなく、文の主語が複数であることを表しています。
この用法は難しく感じますが、考え方としては次のようになります。(A)~(C)には以下のように隠れた主語があり、その主語に付く-들が位置を移動したものと解釈します。
こうして見ると、(C)の例も理解しやすくなりますね。
この~들はさまざまなものに付き、さまざまな位置に現れるため、慣れるまでは違和感があるかもしれません。
まずはたくさん触れて慣れること、次に많이들 드세요(たくさん召し上がってください)のようによく用いられるものを表現ごと覚えて使ってみることから始めるのがおすすめです。