こんにちは! 2月はわが家の風物となっているみそ作りの月です。おいしい大豆、米こうじ、お塩。たったこれだけですが、半年には発酵パワーでおみそに大変身。1年に1回のお楽しみの月でもあります。
韓国には된장(韓国みそ)の他に、청국장(清麹醤、チョングッチャン)と呼ばれる調味料があります。
今回、そのチョングッチャンをたっぷり使った、冬の定番찌개、청국장찌개(チョングッチャンチゲ)をご紹介しようと思います。
청국장(清麹醤、チョングッチャン)とは?
チョングッチャンは、大豆を納豆のように発酵させ、塩分を加えた調味料です。ゆでた大豆を土器に入れ、暖かい場所(冬場に仕込むので、온돌のよく効いた部屋を使う)で、粘り気が出るまで2~3日発酵させます。
この後、塩や唐辛子粉、ニンニクなどの材料を混ぜ込み、調味料として利用するのです。
ちなみに、된장と呼ばれる韓国みそは、ゆでた大豆をつぶし、四角く成形後にわらで結んだ메주(みそ玉)を、風通しがよく、暖かい場所で長期間発酵させてから、塩やしょうゆで塩分を入れ熟成させます。
同じみそでも日本と韓国では作り方がずいぶんと違うものです。
チョングッチャンチゲとの出会い
さて、私が初めてチョングッチャンチゲを食べたのは高校生の時。訪れた韓国のレストランで、次々と運ばれてくる宮廷料理の数々に舌鼓を打っていると、突如、異様な臭いに部屋が包まれたのです。原因は、運ばれてきた1杯のチョングッチャンチゲ。
食欲すら減退しかねないその臭いに、恐れおののきながらも、ひとくち食べてみました。その瞬間、口にしてみてよかった!と心から思いました。臭いとは裏腹に、それほどおいしかったのです。
大豆の甘味、香ばしさが溶け出したスープに、熟成の進んだ酸っぱいキムチや野菜、肉、豆腐などが細かく切られて入っていました。
それら全てが複雑に絡み合って、おいしさの塊になっているのです。適度にしょっぱく、白いご飯をお代わりしたほどでした。
チョングッチャンの独特の臭いは、韓国人でも敬遠する人がいるほどです。しかし近年は、チョングッチャンの健康効果が注目され、ブームになっています。チゲ以外にも、ディップにして野菜につけて食べたり、野菜ビビンバのソースにしたりと、さまざまなアレンジがされている、注目食材でもあります。
納豆で作るチョングッチャンチゲ
日本ではなかなか手に入りにくいチョングッチャンの代わりに、納豆を使って作るチョングッチャンチゲをご紹介します。
納豆だって、チョングッチャンに勝るとも劣らない美容健康食品! これに同じく発酵食品のみそや粉唐辛子を合わせることで、簡単にチョングッチャンに似た味を作ることができるんですよ。
材料 ※1〜2人前
- 白菜キムチ:100g *熟成の進んだ酸っぱいものがおすすめ
- キムチの汁:大さじ1
- 豚バラ肉:100g
- 絹豆腐:100g
- 長ネギ:1/3本
- 玉ネギ:1/4個
- 米のとぎ汁:300ml
- ニンニク(みじん切り):少々
- ショウガ(すりおろし):少々
- 塩:適宜
- ごま油:小さじ1
チョングッチャンの材料
- 納豆:1パック(50g)
- 合わせみそ:大さじ1
- 唐辛子粉:大さじ1/2
下準備
- チョングッチャンの材料を全て混ぜ合わせておきます。
- キムチは太めの千切り、豚バラ肉は一口大、絹豆腐は1cm強のさいの目、長ネギは荒みじん、たまねぎはくし切りにする。
作り方
- 鍋にごま油を入れ、中火で豚肉を炒めます。軽く炒めたら、ニンニク、玉ネギ、キムチを入れます。
- キムチの水分を飛ばすように、よく炒めます。焦げつく前に米のとぎ汁を入れ煮立たせます。
- 弱火にし、豆腐とショウガ、チョングッチャンを入れ、15分間ほど煮ます。
- 最後にキムチの汁を入れ、塩で味を調えたら、長ネギを散らして完成です。
ポイント
- だしの代わりに使う米のとぎ汁は、2回目のとぎ汁を使用します。スープに適度なとろみを与え、香ばしさや、まろやかさをプラスする効果や雑味を抑える効果もあります。とぎ汁の代わりに煮干しだしを使ってもOKです。