bank(銀行)が뱅크になる理由!外来語のハングル表記の規則を学ぶ

bank(銀行)が뱅크になる理由!外来語のハングル表記の規則を学ぶ

こんにちは。韓国語講師の清水碧です。韓国語を教える中で、大学院などで学ぶような専門的な内容に興味を持っている学習者の方が多いと感じています。ここでは専門的な内容の中で普段の韓国語学習に直結するものを選んで紹介していきたいと思います。

外来語のハングル表記

今回のテーマは外来語のハングル表記です。韓国語でも日本語と同様に多くの外来語が用いられますね。今回は外来語のうち英語由来の外来語について見ていきます。

英語を話す女の子のイラスト

同じ外来語の日韓差

実感されている方も多いと思いますが、同じ外来語でも日本語と韓国語で随分発音が異なるものがあります。例えば以下のようなものです。

1. マンハッタン
 맨해튼
2. フットサル
 풋살

特に地名・人名などの固有名詞は発音が全く異なると感じるものもあります。上に挙げた例の他に、人名では「マッカーサー」と맥아더も日本語と韓国語で発音が随分違って聞こえます。

また、外来語の後ろに助詞が付いて終声の初声化が起こると、単体で読んだときとは発音が変化することがあります。

下の3、4のかっこ内は、1、2の맨해튼と풋살に「〜が」という意味の助詞~이を付けたものをあえてカタカナで表すとこのような音に聞こえるというのを示したものです。

3. マンハッタンが
 맨해튼이(メネトゥニ)
4. フットサルが
 풋살이(プッサリ)

これらの例を見ていくと、元々の英語やそれらの日本語での発音を知っていたとしても、韓国語での発音を知らなければ意味をつかむことが困難だということが分かります。

外来語をハングルでどう表記するか

外来語をハングルでどのように表記するかは、韓国の国立国語院の規則で決まっています。ここではその規則の中の基本的な部分を少しだけ見ていきます。

ポイントは「外来語のハングル表記は英語のつづりではなく、英語の発音記号と対応している」という点です。

韓国語を最初に勉強した際に「ハングルはローマ字と同じで子音と母音から成る」と習った方もいらっしゃるかもしれません。例えば以下のような感じです。

ㄱ+ㅏ=가

このように考えると、外来語をハングルで表記する際にはローマ字1字がハングルの1つのパーツに対応するように思えてきます。

しかし、実際に外来語をハングルで表記する際は英単語のつづりではなく、その英単語の発音記号が重要になります。

つまり、発音記号で表した際にどの発音記号がどのハングルに対応するかが決まっているのです。

どういうことか、「銀行」の意味のbankを例に挙げて説明します。bankは英語のつづりに“n”が含まれているため、“n”=ㄴと考えて밴크としてしまいそうになります。

しかし、bankを発音記号で書くと[bæŋk]となり、エヌジーの音[ŋ]が含まれています。

外来語をハングルで表記する規則で[ŋ]はㅇに対応すると定められているので、bankはハングルで書くと뱅크となります

ここまでパッチムについて見ましたが、bank[bæŋk]の他の字もそれぞれ“b”はㅂ、“æ”はㅐ、“k”は크に対応すると決まっています。

外来語のハングル表記の規則を知っていると便利なこと

外来語のハングル表記の規則を知っていると便利なこと

ハングルから英語へ

外来語がハングルで表記されている場合に、何という外来語なのかという以前にそもそも外来語なのかどうかが分からない場合があります。

例えばthe war(戦争)をハングル表記すると더 워になるので、分かち書きに気が付かなければ더워(暑い)かと思ってしまうかもしれません。

外来語がどのようにハングルで表記されるかを知っていれば、まず目の前にある単語が外来語かもしれないという視点が生まれ、次に外来語だとすると規則に従って変換すれば元の英語が何かを推測することができます。

英語からハングルへ

反対に、ある英単語についてその発音記号が分かればそれをハングルでどう表記するかを推測することが可能になります。

例えば「デスク」という外来語が韓国語で「데스크だっけ?대스크だっけ?」と母音がどうなるか分からなくなったりすることがあります。

そのような場合にdeskの発音記号は[desk]で、“e”はㅔに対応するという規則を理解していれば「데스크だ!」と分かるようになります。

もちろん今はインターネットで「デスク 韓国語」というふうに検索すればすぐに知りたい単語が出てきますが、仕組みを分かった上で自分で理解できるというのは外国語学習の醍醐味(だいごみ)でもあります。

いかがでしたか?普段何げなく見聞きしている韓国語の中の外来語のつづりには実はこのような規則が潜んでいました。

今後韓国語に触れる際に外来語がどのように用いられているか観察してみると面白いですよ。

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