2014年の韓国を重要ニュースで振り返る

2014年の韓国を重要ニュースで振り返る

4月:セウォル号沈没事故

세월호 침몰 사고

4月16日、修学旅行中の高校生を多数乗せた旅客船세월호(セウォロ)(セウォル号)が관매도(クァンメド)(観梅島)沖で沈没した。299人が死亡し5人が行方不明になる大惨事となった。

何よりも衝撃的だったのは、大勢の高校生を乗せたまま船が沈んでいく様子を、国民はテレビで見守るほかなかったことだ。当初全員救助との一報がメディアで流されたことも問題となった。

セウォル号沈没事故に対する政府の対応に問題があったと考える国民が多く、後の촛불혁명(チョップル ヒョンミョン)(キャンドル革命)への火種となった。

5月:サムスンの李健熙会長が入院

삼성 이건희 회장 입원

5月、삼성 그룹(サムソン グルプ)(サムスン・グループ)の이건희(イゴニ)(李健熙)会長が心筋梗塞で倒れた。2019年時点でも意識不明の状態が続いているといわれる。

李健熙会長は創業者이병철(イビョンチョル)(李秉喆)氏の三男で、1987年にサムスン・グループの2代目会長となり、サムスンを韓国トップの財閥にのし上げた。

一方で「삼성 공화국(サムソン ゴンファグク)(サムスン共和国)」と言われるほど、国を動かす莫大(ばくだい)な力を持っていることから、批判を受けることも多い。

現在は、長男であり、サムスン電子副会長の이재용(イジェヨン)(李在鎔)氏が経営を担っているが、최순실 게이트(チェスンシル ゲイトゥ)(崔順実ゲート)により、現在も裁判が進行中。

8月:フランシスコ教皇が韓国訪問

프란치스코 교황 방한

8月には、フランシスコ・ローマ教皇が韓国を4泊5日の日程で訪問。

韓国でも初日からセウォル号沈没の犠牲者遺族や障がい者、外国人労働者らに会うなど、韓国社会の弱者と寄り添い、分断状態にある韓国と北朝鮮に平和のメッセージを贈った。

11月:韓中FTA締結

한중 FTA 체결

11月には、韓国最大の貿易相手国である中国とFTA(自由貿易協定)を実質的に締結するに至った。発効は2015年。

中国は韓国にとって最大の貿易パートナーでもあったが、박근혜(パククネ)(朴槿恵)大統領のスピーチでも米国に次いで2番目に触れられるようになり、政治的にも結び付きが強まった。

12月:「ナッツリターン」事件

‘땅콩회항’ 사건

いわゆる「땅콩회항(タンコンフェハン)(ナッツリターン)」事件は、12月大韓航空の조현아(チョヒョナ)(趙顕娥)副社長が客室乗務員のナッツの出し方に腹を立て、航空機を搭乗ゲートに引き返させた事件。

国内外で大きく取り上げられ、趙副社長は辞任。趙副社長は大韓航空の創業者の孫でもあり、韓国財閥の世襲経営に対して非難が起きただけでなく、「가진 자(カジン ジャ)(持てる者)」による갑질(カプチル)1(パワハラ、下請けいじめ)の典型として糾弾された。

  1. 強いもの((カプ)=甲)が弱い立場のもの((ウル)=乙)に理不尽に当たること。 ↩︎

12月:統合進歩党、憲政史上初の政党解散

통합진보당 헌정 사상 첫 정당해산

前の年に所属議員が内乱罪と国家保安法で逮捕された통합진보당(トンハプチンボダン)(統合進歩党)が「従北」との理由で憲法裁判所の判決によって解散を余儀なくされた。

同党は2012年の国会議員選挙で13議席を獲得し、一時第3党にまでなっていた。これにより、所属議員も議員職を失った。

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