こんにちは。韓国語講師の清水碧(しみずみどり)です。
가다(行く)、오다(来る)のような母音語幹1の用言が해요体になるとき、가요(行きます)、와요(来ます)のように縮約することが多いですが、同じ母音語幹でも되다(なる)、쉬다(休む)は、되어요(なります)、쉬어요(休みます)のように縮約しない形が用いられることもありますね。
この記事ではどのような場合に縮約したりしなかったりするかについて学びます。
- 「母音語幹」とは語幹の最後にパッチムがない(母音で終わっている)語幹のことです。 ↩︎
記事の目次
母音語幹の用言が해요体になるときの3つのパターン
母音語幹の用言が해요体になるときは、次の3つのパターンがあります(語幹末の母音が「ㅡ」の用言、하다用言はそれぞれ別の特殊な活用をします)。
次の項目で1~3について、具体例を挙げながら見ていきます。
1 아/어が消えるパターン
ここに属する用言は「縮約形のみ許容」と「縮約しない形・縮約形のどちらも許容」の2つに分かれます。
縮約形のみ許容
語幹末の母音がㅏ、ㅓ、ㅕの用言は、重なったㅏ、ㅓを縮約します。
縮約しない形・縮約形のどちらも許容
語幹末の母音がㅐ、ㅔの用言は、縮約しない形・縮約形のどちらも許容です。
辞書形 | 縮約しない形 | 縮約形 |
보내다 送る | 보내어요 送ります | 보내요 送ります |
메다 担ぐ | 메어요 担ぎます | 메요 担ぎます |
他には깨다(覚める)、세다(数える)などがこのパターンに属します。
2 母音が合体するパターン
このパターンに属する用言も「縮約形のみ許容」と「縮約しない形・縮約形のどちらも許容」の2つに分かれます。
縮約形のみ許容
語幹末の母音がㅣのものは-어と合体してㅕになります。
他には기다리다(待つ)、다니다(通う)などが同じ活用をします。
語幹末が오、우のものは-아、-어と合体して와、워になります。
他には、돌아오다(帰る)などの오다が入った合成語や외우다(覚える)などが同じ活用をします。
語幹末の母音がㅗ、ㅜでも、보다(見る)、주다(あげる)のように子音がある場合は、次の「縮約しない形・縮約形のどちらも許容」になります。
縮約しない形・縮約形のどちらも許容
語幹末が子音+ㅗ、ㅜのときと、語幹末の母音がㅚのときは、縮約しない形・縮約形のどちらも許容です。
辞書形 | 縮約しない形 | 縮約形 |
보다 見る | 보아요 見ます | 봐요 見ます |
주다 あげる | 주어요 あげます | 줘요 あげます |
되다 なる | 되어요 なります | 돼요 なります |
他には두다(置く)、나누다(分ける)などが同じ活用をします。
1の「아/어が消えるパターン」も、2の「母音が合体するパターン」も、【縮約しない形・縮約形のどちらも許容】のものは、現実的には縮約形を用いることが多いです。
縮約しない形は書き言葉で用いられることがあります。従って、「基本的に縮約形を用いる」と覚えておきましょう。
3 縮約形を用いない例外パターン
語幹末の母音がㅟ、ㅢの用言とㅣの用言の一部がこのパターンに属します。
ㅟの用言には他に사귀다(付き合う)、바뀌다(変わる)などがあります。実際の話し言葉では사귀다、바뀌다の해요体を사겨요、바껴요のように言うことがよくあるのですが、正しいつづりは사귀어요、바뀌어요です。
ㅢの用言は数がそれほど多くなく、띄다の他には희다(白い)を知っておけばいいです。
上で語幹末の母音がㅣの用言は-어と合体してㅕになるのが原則と学びましたが、기다(はう)など一部の用言は例外的に縮約せず、기어요(はいます)のようになります。
「縮約形を用いない例外パターン」に属する用言は数が少ないため、よく用いるㅟの用言を覚えておきましょう。この記事で紹介したㅟの用言は쉬다、사귀다、바뀌다の3つがありますが、他には할퀴다(ひっかく)や지저귀다(さえずる)などがあります。
いかがでしたでしょうか? 母音語幹の用言の해요体は一見複雑に思えますが、基本的に縮約形を用いる、ただし쉬다、사귀다などの用言は例外であると覚えておくと実践的です。