「率」の韓国語読みは률? 율? 単語の頭と途中で読み方が変わる理由

「率」の韓国語読みは률? 율? 単語の頭と途中で読み方が変わる理由

こんにちは。韓国語講師の清水碧(しみずみどり)です。韓国語の漢字は読み方が1つだけと習ったのに、単語の頭に来るときと途中に来るときとで違う読み方になることがありますね。

それには規則性があることに気付いている方も多いと思います。今回はその規則を学んでいきましょう。

頭音(とうおん)法則とは?

漢字語の場合、単語の頭(語頭)に特定の音(ㄹ、ㄴ)が来ると、別の音に変わることがあります。これを頭音(とうおん)法則と言います。音が変わるパターンとしては次の3つがあります。

1 語中でㄴのものが語頭でㅇになる
例:남녀(男女)と여자(女)

2 語中でㄹのものが語頭でㅇになる
例:재료(材料)と요금(料金)

3 語中でㄹのものが語頭でㄴになる
例:미래(未来)と내년(来年)

手をあげているハナタス ハナタス

13について、次の項目で具体例を挙げながら見ていきます。

漢字の読み方が変わる3つのパターン

語中と語頭で読み方が変わる3つのパターンを順番に見ていきましょう。

語中でㄴ→語頭でㅇ

漢字音녀、뇨、뉴、니は語頭に来ると여、요、유、이になります。

漢字語中での読み方と具体例語頭での読み方と具体例
녀、남녀(男女)여、여자(女)
년、학년(学年)연、연금(年金)

このパターンは頭音法則の中で一番数が少ないです。特によく登場する上の2つを覚えておきましょう。

手をあげているハナタス ハナタス

「女」と「年」の2つを覚えておけば大丈夫だよ。

語中でㄹ→語頭でㅇ

랴、려、례、료、류、리のように母音が이かy系列のとき、語頭では야、여、예、요、유、이になります。

漢字語中での読み方と具体例語頭での読み方と具体例
력、이력(履歴)역、역사(歴史)
료、재료(材料)요、요금(料金)
류、종류(種類)유、유사(類似)
리、진리(真理)이、이발(理髪)

このパターンに属する漢字は他に「良(량/양)」「練(련/연)」「礼(례/예)」「流(류/유)」「離(리/이)」「立(립/입)」などたくさんあります。

手をあげているハナタス ハナタス

語中でㄹ→語頭でㅇの漢字はたくさんあるんだね!

語中でㄹ→語頭でㄴ

初声がㄹで母音が이とy系列以外のときは、語頭でㄴになります。

漢字語中での読み方と具体例語頭での読み方と具体例
락、쾌락(快楽)낙、낙원(楽園)
래、미래(未来)내、내년(来年)
로、위로(慰労)노、노동(労働)
록、기록(記録)녹、녹음(録音)

他には「落(락/낙)」「老(로/노)」「論(론/논)」などがこのパターンに属します。

手をあげているハナタス ハナタス

これで3つのパターンはバッチリ。次は例外を学びます!

語中でも頭音法則が適用される例外

頭音法則は語頭で音が変わる法則ですが、例外的に語中でも頭音法則が適用される場合があります。ここでは特に重要な3つの場合を学びましょう。

複合語

2つの要素から成る複合語の場合、後ろの単語は語中でも頭音法則が適用されます。

【語中でㄹ→語頭でㅇ】
해외여행(해외+여행) 海外旅行 ×해외려행
몰이해(몰+이해) 無理解(漢字で「没理解」) ×몰리해
불이행(불+이행) 不履行 ×불리행

【語中でㄹ→語頭でㄴ】
남녀노소(남녀+노소) 老若男女(漢字で「男女老少」) ×남녀로소
육체노동(육체+노동) 肉体労働 ×육체로동
비논리적(비+논리적) 非論理的 ×비론리적

母音かㄴパッチム+렬、률=열、율

母音(パッチムがない)やㄴパッチムの後ろに続く렬(列、烈、裂、劣など)と률(律、率、慄、栗など)は열、율と書きます。いくつか具体例を見てみましょう。

漢字母音の後ろでの読み方と具体例ㄴパッチムの後ろでの読み方と具体例
열、나열(羅列)열、진열(陳列)
율、규율(規律)율、선율(旋律)
율、비율(比率)율、회전율(回転率)

ㄴ以外のパッチムの場合は頭音法則が適用されないため、렬、률と書きます。

漢字ㄴ以外のパッチムの後ろでの読み方と具体例
렬、정렬(整列)
률、법률(法律)
률、확률(確率)
手をあげているハナタス ハナタス

母音とㄴパッチムの場合のみ例外なんだね。

特に「率」が含まれた単語は数が多いので、それぞれの場合についてどうなるか覚えておきましょう。

【母音(パッチムがない)+率=율】
효율(効率)、세율(税率)、치사율(致死率)など

【ㄴパッチム+率=율】

환율(為替レート。漢字で「換率」)、출산율(合計特殊出生率。漢字で「出産率」)など

【ㄴ以外のパッチム+率=률】

능률(能率)、합격률(合格率)、실업률(失業率)など

「量」と「欄」

「量」と「欄」は漢字語の後ろに来るときは頭音法則が適用されず、량、란になりますが、固有語や外来語の後ろに来るときは頭音法則が適用されて양、난になると規則で決まっています。

강수량(降水量)
漢字語+「量」なので、頭音法則が適用されない

구름양(雲の量)
固有語+「量」なので、頭音法則が適用される

독자란(読者欄)
漢字語+「欄」なので、頭音法則が適用されない

스포츠난(スポーツ欄)
外来語+「欄」なので、頭音法則が適用される

いかがでしたでしょうか? 3つのパターンの語中と語頭の読み方の変化は自分なりの感覚がある方も多いと思うので、例外の「複合語」「母音かㄴパッチム+렬、률=열、율」「「量」と「欄」」の場合を覚えておくと有用です^^

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