韓国語を学び始めて、一番最初に訪れる難関は「発音変化」ではないでしょうか?
ハングルの母音と子音を覚えて、早速読んでみよう!と思ったのに、文字通りに読まない単語が多すぎる……。それは、韓国語は表記と発音が一致しない、「発音変化」がたくさん起きているからなのです。
この記事は
- 初めて「発音変化」を知る方
- 「発音変化」がなかなか覚えられない方
- 一通り「発音変化」は学んだけれど実際の会話でスムーズに話せない方
に向けて、「発音変化」のルールを一つひとつ分かりやすく解説していきます。
シリーズの第7弾は、「激音化」と呼ばれる発音変化を学びます。
(発音変化の全容については「総まとめ」の記事を参照)
7回目のこの記事は、「激音化」!
激音化
平音ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈに対応する激音はㅋ、ㅌ、ㅍ、ㅊですが、激音化は、この激音を持っている平音ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈの前後にㅎ(ㄶ、ㅀパッチムを含む)が来たときに起こる発音変化です。
- 1 ㅎが後ろに来たとき
- 2 ㅎが前に来たとき
に分けて詳しく見ていきましょう。
1 ㅎが後ろに来たとき
[ㄱ][ㄷ][ㅂ]で発音されるパッチムの後ろにㅎが来ると、パッチムとㅎが合体して、それぞれ激音[ㅋ][ㅌ][ㅍ]で発音されます。
백화점(デパート、百貨店)、몇 해(何年)、입학(入学)を例に見てみましょう。
2 ㅎが前に来たとき
平音ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈの前にㅎ(ㄶ、ㅀパッチムを含む)が来ると、そのㅎと平音ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈが合体して、それぞれ[ㅋ][ㅌ][ㅍ][ㅊ]で発音されます。
놓지만(置くけれど)、싫지 않죠?(嫌いじゃないですよね?)を例に見てみましょう。
受身や使役の接尾辞-히-が付くときに起こる発音変化
「1 ㅎが後ろに来たとき」で注意が必要なのが、受身の接尾辞-히-が付くときです。
注意1
ㄷパッチムに受身や使役を表す接尾辞-히-が付くと、激音化して[티]になるはずが、[치]と発音します。激音化ではなく「口蓋音化」と呼ばれる発音変化が起きるのです。
묻다(埋める)に接尾辞-히-が付いた묻히다(埋まる)を例に見てみましょう。
接尾辞-히-が묻혀서(埋まって)、묻혔어요(埋まりました)と活用した際も、同様に口蓋音化が起こることに注意しましょう。口蓋音化については、次回以降また詳しく解説します。
注意2
앉다(座る)に接尾辞-히-が付いた앉히다(座らせる)ですが、ㄵパッチムは[ㄴ]で発音するパッチムなので、「1 ㅎが後ろに来たとき」の、[ㄱ][ㄷ][ㅂ]で発音されるパッチムの後ろにㅎが来ると〜、という条件には該当しません。
それにもかかわらず[안치다]と発音します。ㅈパッチムと히が合体して치になる例外的な単語です。
他にも、넓다(広い)に接尾辞-히-が付いた넓히다(広げる)もㄼパッチムは[ㄹ]で発音するパッチムですが、ㅂパッチムと히が合体して피になります。
日常生活でよく出会うであろうこの2語を、例外として覚えておきましょう!
いかがですか? 激音化のルールを見ていきました。比較的単純なルールですが、初・中級レベルで学ぶ接尾辞-히-に注意しましょう。
また、次回の更新予定のシリーズ第8弾で学ぶ「口蓋音化」とも併せて確認していきましょう。
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