映画にはコメディー、アクション、ラブストーリーなど、さまざまなジャンルがある。
韓国映画ではそれに加えて、近年、「マ・ドンソク」というジャンルが誕生したと言われるほど、俳優마동석（マ・ドンソク）の存在感が増している。
『범죄도시4（犯罪都市 PUNISHMENT）』は、そんな彼が企画から立ち上げた人気シリーズの最新作だ。
刑事マ・ソクトがIT犯罪に挑む
デリバリーアプリを悪用して麻薬を密売する組織の捜査をしていた刑事마석도（マ・ソクト）とソウル広域捜査隊は、謎の死を遂げたアプリ開発者が、国際IT犯罪組織と関わっていたことを突き止める。
彼らがフィリピンを拠点に違法オンラインカジノで巨額の富を得ていることに気付いたソクトは、旧知の장이수（チャン・イス）とサイバー捜査隊の協力を得て捜査を開始。
一方、カジノ組織のリーダー、백창기（ペク・チャンギ）は組織のオーナー、장동철（チャン・ドンチョル）から滞った報酬を回収するため、ソウルへとやってくる。
無敵のスーパーヒーロー、刑事マ・ソクト
2004年にスクリーン・デビューして以来、主に腕っ節の強い暴力団員または刑事といった役柄を演じてきたマ・ドンソク。出演作品の数が増えるに従って、その類いまれな個性が輝き始める。
記録的なヒットとなった『부산행（新感染 ファイナル・エクスプレス）』（2016）では、謎のウイルスに感染した乗客たちが次々とゾンビ化していく中、人々を腕1本で守る男を好演。日本でも広く知られるようになった。
腕力は並外れているものの、身重の妻には頭が上がらないという設定も愛らしく、この作品以降、韓国では「마동석+러블리（マ・ドンソク＋ラブリー）」を略した「마블리（マブリー）」という愛称が定着している。
こうした成功を受けてマ・ドンソクは「映画界に入った頃からの夢だった」という製作にも関わるようになり、2017年に『범죄도시（犯罪都市）』を発表。
庶民的でありながらも無敵のスーパーヒーローである刑事マ・ソクトのキャラクターと、「悪い奴は殴られないと！」が口癖の彼が見せるパワフルでスピーディーなアクションが強いインパクトを与えた。
その後、『犯罪都市 THE ROUNDUP』（2022）、『犯罪都市 NO WAY OUT』（2023）、そして、最新作の『犯罪都市 PUNISHMENT』と、全4作品が発表され、韓国では合計4000万人以上の観客を動員。
マ・ドンソクは既に「第8作まで構想中」と公言しており、唯一無二の人気シリーズとしての地位を確立している。
個性の違う俳優たちを悪役に抜擢
『犯罪都市』シリーズのもう1つの魅力は、マ・ソクトの前に立ちはだかる強烈な悪役たちだ。
『犯罪都市』では、アイドルグループg.o.d出身で『말모이（マルモイ ことばあつめ）』（2019）などでは善良なキャラクターにも扮してきた윤계상（ユン・ゲサン）が残酷な行為を楽しむような悪党を鬼気迫る演技で見せた。
『犯罪都市 THE ROUNDUP』（2022）では、韓国公開当時ドラマ「나의 해방일지（私の解放日誌）」が大ヒット中だった손석구（ソン・ソック）、『犯罪都市 NO WAY OUT』（2023）では、『서울의 봄（ソウルの春）』（2023）の이준혁（イ・ジュニョク）と、日本からの出演となった青木崇高がそれぞれアクの強いキャラクターに扮した。
今回、マ・ソクトと対決するペク・チャンギに扮しているのは『악인전（悪人伝）』（2019）に続いてマ・ドンソクとの共演となる김무열（キム・ムヨル）。傭兵出身という設定で短剣を使ったキレのあるアクションでマ・ソクトを追い詰める。
また、ITの天才として知られる若きCEOという表の顔の裏で違法オンラインカジノを運営しているチャン・ドンチョルをドラマ「카지노（カジノ）」の이동휘（イ・ドンフィ）が演じている。
さらに、シリーズの常連でマ・ソクトとのやりとりで笑わせるチャン・イスを、ドラマ「우리들의 블루스（私たちのブルース）」の박지환（パク・ジファン）が好演。
新たに加わったサイバー捜査隊の한지수（ハン・ジス）役でドラマ「눈물의 여왕（涙の女王）」の이주빈（イ・ジュビン）がコメディエンヌぶりを発揮している。
原題：범죄도시4
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邦題：犯罪都市 PUNISHMENT
公開：（韓国）2024年4月24日／（日本）2024年9月27日
監督：허명행（ホ・ミョンヘン）
出演：マ・ドンソク、キム・ムヨル、パク・ジファン、イ・ドンフィ
配給：ハピネットファントム・スタジオ
『犯罪都市 PUNISHMENT』本予告映像
