韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、8月17日から30日までの出来事から、以下の3つのニュースをご紹介します。
韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!
尹大統領の光復節演説、日韓関係への言及なし
日本の植民地支配からの解放を祝う8月15日。この日は「民族の光を取り戻した日、主権を回復した日」として、韓国では광복절(光復節)と呼ばれています。
しかし今年、韓国政府主催の記念式典には、独立運動団体광복회(光復会)をはじめとする独立運動団体の人々の姿が見られませんでした。독립기념관(独立記念館)の新館長の任命に反対し、別途に記念式典を開催したからでした。野党議員の多くもこちらに参加したため、分裂した記念式典となりました。
8月15日の光復節と3月1日の삼일절(三一節)に行われる大統領の演説は、時の政権の対日姿勢がよく表れるとして注目されています。
しかし、この日の윤석열(尹錫悦)大統領の演説は「統一して初めて完全な光復が実現する」と述べて新たな統一戦略を示したのが主な内容で、過去の歴史や日韓関係に関して言及することはありませんでした。
これに対し、与党국민의힘(国民の力)は「光復節の意味をはっきり示した」と評価する一方、野党더불어민주당(共に民主党)は「最悪の光復節記念演説」だと非難しました。
富川のホテルで火災、7人死亡
8月22日、ソウル郊外の부천시(富川市)の8階建てのホテルで火災が発生し、7人が死亡、12人がけがをしました。
亡くなった7人のうちの2人は7階の宿泊客で、救助用マットに飛び降りたところマットがひっくり返ってしまい、助かることができませんでした。
火元は7階の810号室にあるエアコンとみられ、火花がマットレスに燃え移ったことで大規模火災につながりました。このホテルは2003年に建てられたもので、スプリンクラーも設置されていませんでした。
韓国で過去に起きたホテルの大火災には、1971年の대연각호텔 화재 사고(大然閣ホテル火災事故)があります。この事故は死者・行方不明者191人、けが人68人を出す大惨事となりました。
ディープフェイクわいせつ動画の被害が中高生にも拡大
身近な女性の顔写真に음란 동영상(わいせつ動画)を合成した딥페이크 음란물(ディープフェイクわいせつ動画)が通信アプリ텔레그램(テレグラム)のチャットルームに多数アップされていることが分かり、韓国で深刻な問題になっています。
ディープフェイクわいせつ動画は、テレグラム内のチャットルームにある딥페이크 봇(ディープフェイク・ボット)を利用して安価で手軽に作ることができることから、10代の青少年らが多く関わっているといわれています。
被害は中学校や高校などに通う未成年者に拡大しており、韓国の교육부(教育部。日本の文部科学省に相当)は8月28日、ディープフェイクわいせつ動画の被害に遭った生徒や教師の申告数が、今年196件に上っていると発表しました。
韓さんのニュース+α「光復節記念演説で2番目に多く使われた単語」
1つ目に取り上げたニュースに関するクイズです。韓国のメディア、연합뉴스(聯合ニュース)によると、尹大統領の光復節演説の中で最も多く使われた単語は「자유(自由)」で、50回登場したそうです。では、2番目に多かった単語は何でしょうか?
「統一」は36回、「国民」は25回、「人権」は10回だったそうです。選択肢にはありませんでしたが、3番目に多かったのが32回登場の북한(北朝鮮)とのこと。こうした側面からも、今回の演説の内容を想像することができますね。
今回紹介した3つのニュース、いかがだったでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後の
ものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。