이태원(梨泰院)と聞いて誰もが思い出すのが、2022年のハロウィンに起きた大事故。それ以来梨泰院はなんとなく近づきがたい街になってしまいました。それは観光客だけでなく、韓国人も同じ。
かつてあった米軍基地も평택(平沢)へ移転してしまい、人の流れはすっかりお隣の한남동(漢南洞)エリアへ。
そんな梨泰院が最近どうなのか、以前『韓国語学習ジャーナルhana Vol. 44』の取材で訪れたベーグルカフェと併せてご紹介します。
昼間の梨泰院は閑古鳥。梨泰院クラスのロケ地もチェック
平日の昼間に訪れたところ、人の数はまばら。かつては서울(ソウル)屈指の人気観光地でしたが、メインストリートも路地裏も、テナント募集の店舗が目立ちます。
ハロウィンの事故の影響ももちろんありますが、現地の人の話によると米軍基地が移転したことの方が影響が大きいそう。
梨泰院と言ったら外国人向けのビッグサイズの洋服や靴を売る店、異国情緒あふれるレストランやバーが多いイメージでしたが、今は物寂しい雰囲気です。
梨泰院のランドマーク、해밀톤호텔(ハミルトンホテル)を見て。ここから한강진역(漢江鎮駅)がある漢南洞エリアへ行く道すがら、カフェやアパレルの店舗が続きますが、手前の녹사평역(緑莎坪駅)方面は殺伐としています。
漢南洞方面を歩いていたら見つけた看板。日本のアパレルショップ「Bshop(ビショップ)」が秋にオープンするようです。最近、韓国のMZ世代の間では日本のアパレルが人気で、성수(聖水)には「HUMAN MADE」もオープンする予定。
こちらは緑莎坪駅方面へ向かうメインストリート。カフェ「커피스미스(コーヒー・スミス)」や「아디다스(アディダス)」は閉店し、ソウルの一等地とは思えない風景が続きます。
一瞬ユニクロかと思いましたが、韓国お得意のパロディショップでした。“유니큰옷(ユニクノッ)”とは、恐れ入ります。そういえば、ひと昔前はこうしたお店が多くありましたね。
コロナ禍にヒットしたドラマ「이태원 클라쓰(梨泰院クラス)」のロケ地も今では物寂しい雰囲気に。박새로이(パク・セロイ)がまたこの街に君臨してくれないかな……。
移転前の「단밤(タンバム)」があった場所の向かいにあるコンビニ「GS25」の窓には박서준(パク・ソジュン)や권나라(クォン・ナラ)、김동희(キム・ドンヒ)の生サインが。
梨泰院クラスのロケ地と言ったら、ドラマの作者とその兄弟が営む屋台スタイルの居酒屋「꿀밤(クルバム)」も有名。訪れたのが昼間だったため店の前をはじめ周辺は人っ子一人いない状況でしたが、韓国の大手検索サイトNAVERの口コミを見るに、週末の夜はいまだに人気が高いようです。
メインストリートから1本路地に入ったグローバルフード通りは工事中の店舗が目立ちます。
2022年オープンのカフェ「ローカルビラベーグル」は健在
梨泰院のメインストリート沿いにあるベーグルカフェ「로컬 빌라 베이글(ローカルビラベーグル)」。2022年のオープン以来、大使館が集まる土地柄のためかインターナショナルなゲストが集います。
米軍基地は移転しましたが、梨泰院と言ったら各国の大使館が集まる場所。そんな外国の人々も満足するベーグルは外はサクッ、中はモチッとしていて絶品!
もはやブームから定番と化した韓国のベーグルですが、ここは支店を増やすわけでもなく“地元・梨泰院密着”で営業を続けています。
古い鉄筋コンクリートのビルを今どき風にリノベーション。ガラス張りのインテリアで開放的な空間に仕上がっています。1階の他、地下1階にもイートイン席があります。
ベーグル単品(3500ウォン~)の他、ベーグルサンドイッチ(9000ウォン~)も充実。朝8時からオープンしているので、ブランチで訪れる人も多いのだとか。
ベリーやオートミール、シナモンがふんだんに入ったベーグル(4500ウォン)は、ほんのり甘くてぺろりと食べられるおいしさ。カフェラテ(5500ウォン)の他、クリームラテやバニララテなどコーヒーの種類も豊富です。
店舗情報
今回は、気になるけれどなかなか足を運ぶ機会がなくなってしまった梨泰院にスポットを当ててみました。ソウルも暑い日が続きますが、9月に入れば一気に秋模様に。
次回は추석(秋夕)前のソウルの様子をお届けします。