こんにちは。韓国語講師の清水碧(しみずみどり)です。語幹が母音「ㅡ」で終わる用言の中で、語幹が르で終わるものの多くは르変則という変則的な活用をします。
今回は르変則について学んでいきましょう。
르変則の活用
르変則は語幹が르で終わる用言に아/어語尾が付くときに、르がㄹㄹに変わります。
(아/어語尾については「総まとめ」の記事を参照)
その上で、르の直前の文字の母音が陽母音(ㅏ、ㅑ、ㅗ)ならㅏを、陰母音(ㅏ、ㅑ、ㅗ以外)ならㅓを付けます。具体的に見てみましょう。
覚えておきたい르変則の用言いろいろ
르変則の用言の中で、初級段階から用いる重要な単語には次のようなものがあります。動詞も形容詞もありますね。
자르다(切る)は実際の会話では[짜르다]と濃音で発音されることが多く、SNSなどでは発音通り濃音で表記されることもありますが、正しいつづりは자르다です。
また、日本語ネイティブにとって紛らわしいのが고르다(選ぶ)と거르다(抜く)に아/어語尾が付いた形です。具体的に見てみましょう。
辞書形 | 아/어語尾 |
고르다 選ぶ | 골라요 選びます |
거르다 抜く | 걸러요 抜きます |
고르다(選ぶ)はよく用いる単語ですが、거르다(抜く)も끼니를 거르다(食事を抜く)の形でよく用います。
고르다と거르다はカタカナで書くと両方とも「コルダ」ですが、고르다は르の直前の文字の母音が陽母音、거르다は陰母音であるため、아/어語尾が付いた形が変わる点に注意しましょう。
르変則と間違えやすい으語幹の用言
르変則で注意が必要なのが、語幹が르で終わるもの全てが르変則活用をするのではなく、으語幹の活用をする用言もあるということです。
次の4つを頭に入れておきましょう。
これらの単語は語幹が르で終わる用言ですが、으語幹です。なので르変則はせず、아/어語尾が付くときは次のように活用します。
辞書形 | 아/어語尾 |
따르다 従う | 따라요 ×딸라요 従います |
치르다 支払う | 치러요 ×칠러요 支払います |
들르다 立ち寄る | 들러요 立ち寄ります |
다다르다 到達する | 다다라요 ×다달라요 到達します |
따르다は「従う」という意味の他に、~에 따라の形で「~によって」という表現でよく用いられるので、아/어語尾の付いた形も覚えやすいですね。
따르다には他に「(水、酒など液体を)注ぐ」という意味もあります。
치르다は「支払う」の他に「執り行う」という意味もあります。例えば잔치를 치르다(宴会を執り行う)のように用いられます。
들르다は아/어語尾が付いた形が들러-でㄹㄹの形になるので르変則と勘違いしやすいですが、들러-のㄹパッチムは르変則の活用によって生じたものではなく、元々語幹にある들のㄹパッチムです。
また、話し言葉で들르다に아/어語尾が付いた形で、들려서、들려 주세요のように、들려と言うことがよくありますが、これは間違いで、正しくは들러です。
いかがでしたでしょうか? 르変則は意外とたくさんの単語がありますが、まずは普段よく使う単語から覚えていきましょう(^^)
さて、語幹が르で終わる用言の中には、르変則の他に、数は少ないですが러変則があります。러変則についてはまた別の記事で学んでいきます!