今回は女性アーティストに目を向けてみたいと思います。
1990年代前半の韓国歌謡界には女性のグループが少なく、1997年以降のBaby V.O.XやS.E.S、Fin.K.LなどのK-POP第1世代グループの登場を待たなければいけません。
しかし、1990年代を通してソロ歌手として人気を集めていた女性アーティストは多く存在します。
記事の目次
キム・ワンソン「삐에로는 우릴 보고 웃지(ピエロは私たちを見て笑うわ)」
まず1990年代初めに圧倒的な存在感を誇った女性ソロ歌手が、김완선(キム・ワンソン)。
彼女は1986年に歌手デビュー。すぐに大人っぽい魅力とダンスの実力で歌謡界のトップに立ちました。
その彼女が1990年に発表した5集に収められたのが、「삐에로는 우릴 보고 웃지(ピエロは私たちを見て笑うわ)」です。この曲は彼女の代表曲の1つになりました。
カン・スジ「보라빛 향기(紫色の香り)」
1990年代前半に活躍した清純派の女性歌手に在米コリアンの강수지(カン・スジ)がいます。
1990年のデビュー曲「보라빛 향기(紫色の香り)」をはじめ多くの曲をヒットさせました。
1995年には活動の舞台を日本に。スージー・カンの芸名でCDを発表した他、多くのバラエティー番組にも出演しました。
イ・ソラ「난 행복해(私は幸せよ)」
1995年に発売した1集がミリオンセラーになったのが、이소라(イ・ソラ)です。
「처음 느낌 그대로(最初の気持ちそのままで)」「난 행복해(私は幸せよ)」などの曲で、内省的な歌詞と深みのあるボーカルを披露。
アルバムは女性ソロ歌手のアルバムとして歴代最多販売数を記録しました。
1990年代の後半にはKBSの「이소라의 프로포즈(イ・ソラのプロポーズ)」という番組の進行役としても活躍しました。
オム・ジョンファ「POISON」
1990年代の後半には、音楽活動と俳優業を並行させていた엄정화(オム・ジョンファ)が「배반의 장미(裏切りのバラ)」「POISON」の大ヒットで1990年代のアイコンとして認知されるようになりました。
キム・ヒョンジョン「그녀와의 이별(彼女との別れ)」
セクシーな魅力の本格派歌手としては、1997年発表の「그녀와의 이별(彼女との別れ)」でオム・ジョンファと人気を競い合った김현정(キム・ヒョンジョン)がいます。
この曲は彼女のデビュー曲で、1998年に入って大ヒットしました。
そこから2000年代の初頭にかけて毎年のようにヒット曲を送り出し、彼女は時代を代表する歌手と認識されるようになりました。
ヤンパ「애송이의 사랑(ひよっこの恋)」
1997年には高校生歌手양파(ヤンパ)が「애송이의 사랑(ひよっこの恋)」をヒットさせます。
イ・ジョンヒョン「와(ワ-come on-)」
1999年には「テクノの女王」이정현(イ・ジョンヒョン)が小指マイクの異色パフォーマンスで「와(ワ-come on-)」を歌い、世紀末の歌謡界にセンセーションを巻き起こしました。
この歌は、彼女が2004年のNHK紅白歌合戦に出演した際にも歌われました。
その後日本でアルバムも出したイ・ジョンヒョンですが、2010年代に入ると俳優業に軸足を移して、映画やドラマで活躍しました。
関連記事が掲載されている書籍
価格:1518円(本体1380円+税10%)