韓国語の名詞は、体言という名前で呼ばれます。この体言というグループには、代名詞と数詞も含まれますが、基本的に体言とは名詞のことです。
名詞とは?
名詞について思い浮かぶ特徴として、まず出てくるのは、「物の名前」ではないでしょうか。
確かに、名詞の特徴の一つです。나무(木)や사과(リンゴ)、시계(時計)など、実際に目で見たり手で触ったりことができる物の名前を挙げることができます。
一方で、このように見たり触ったりすることのできる物だけでなく、마음(心)や생각(考え)などのように目に見えない抽象的な物を表す単語、そして결혼(結婚)や수업(授業)のように出来事を表す単語も、名詞の例として挙げることができます。
以下に挙げたものも全て名詞ですが、「物の名前」としてまとめるのは少し難しそうです。それでは、どのように名詞をグループ分けできるでしょうか?
名詞の種類
- 具体物を表す名詞 나무(木)、사과(リンゴ)、시계(時計)、안경(眼鏡)、……
- 抽象物を表す名詞 마음(心)、생각(考え)、시간(時間)、인기(人気)、……
- 出来事を表す名詞 결혼(結婚)、수업(授業)、시합(試合)、여행(旅行)、……
名詞の特徴
韓国語の名詞の特徴を考えてみます。まず次の例を見てみましょう。
名詞を使うとき、単に사과と言うだけではなく、사과를 먹었다(リンゴを食べた)と言ったり、빨간 사과(赤いリンゴ)と言ったりしますが、このとき、名詞の特徴が現れます。
文の中での役割が表される
一つ目の特徴は、~을/를(~を)などの助詞が後ろに付くことによって、文の中での役割が表されることです。
例えば、助詞の~을/를が付いた名詞は、ほとんどが目的語として働きます。「助詞が付く」ということは、逆に言えば、助詞が付いていれば名詞である可能性が高いということになります。
名詞が表すものをさらに詳しく説明できる
二つ目の特徴は、前に빨간など別の単語を使うことによって、名詞が表すものをさらに詳しく説明できることです。
このように、別の単語を使って別の単語の意味をより詳しく説明することを、修飾と言います。
修飾は、名詞だけでなく他の単語も受けることができますが、名詞が修飾を受ける場合、修飾する単語は「名詞を修飾するための形」でないといけません。
この形のことを、連体形と言います。빨간(赤い~)という単語の形が連体形であることから、後ろに来るのが名詞であると分かるようになっているのです。
では、抽象物や出来事を表す名詞でも、同じようにこれらの特徴が現れるでしょうか。
例を見ると、인기の後ろに~이/가(~が)という助詞を付けて主語になったり、어려운(難しい~)という単語を使って수업という名詞をより詳しく説明したりすることができているので、これらも名詞であることが分かります。
ポイント
名詞の特徴は、「後ろに助詞が付く」「前に、名詞を修飾するための形になった単語が来る」
練習問題を解いてみよう
Q 以下の文に含まれる名詞を全て抜き出してみましょう。
※ 解答は問題の横の「+」ボタンを押すと表示されます
2 차를 타고 왔어요.
3 종이로 비행기를 만들었어요.
4 모자라는 재료가 있어요.
5 일찍이 왔어요.
6 스스로가 결정해야 합니다.
7 가로로 놓지 마세요.
8 깊이 생각해 봤어요.
1 바람(風)。前に시원한という単語が来て、바람を修飾しています。また、바람の後ろに助詞の~이が付いています。【訳】涼しい風が吹いています。
2 차(車)。後ろに助詞の~를が付いています。【訳】車に乗って来ました。
3 종이(紙)、비행기(飛行機)。それぞれ、後ろに助詞の~로、~를が付いています。종이の後ろの이は、助詞ではないので注意しましょう。【訳】紙で飛行機を作りました。
4 재료(材料)。後ろに助詞の~가が付いています。모자라는は、모자라다(足りない)の連体形です。모자(帽子)ではないので注意しましょう。【訳】足りない材料があります。
5 なし。일찍に助詞の~이が付いているように見えますが、일찍이で一つの副詞になっています。この文に名詞は含まれていません。【訳】早く来ました。
6 스스로(自分)。後ろに助詞の~가が付いているので、この스스로は名詞です。【訳】自分が決めなければいけません。
7 가로(横)。後ろに助詞の~로が付いています。가로の中に含まれる로は、助詞の~로ではありません。【訳】横に置かないでください。
8 なし。깊이の後ろに付いている이は助詞の~이ではないので、注意しましょう。【訳】深く考えてみました。
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